2020-08

当院の学習環境

みなさん、こんにちは。初期研修医2年目の本間と申します。いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

 読者の多くは当院での研修を考えている医学生の方だと思いますが、医学は学ぶ範囲がとてつもなく広く、日々勉強机に向かって悪戦苦闘しているかと思います。そして、(残念ながら?)それは医師になっても変わらず、特に研修医期間は毎日新たな学び、疑問が湧いてきます。そこで、せっかく執筆の機会をいただいたので、僭越ではありますが、私自身が普段どのように臨床疑問、いわゆるクリニカルクエスチョンと相対しているかをご紹介したいと思います。

 皆さんは、ラーニングピラミッドをご存知でしょうか。医学生が普段聞いている講義や、課題図書を読むことなどはパッシブラーニングと呼ばれ、実は学習定着率があまり高くありません。しかし、知識の下地を作るという点では不可欠です。ここで、初期研修医として一番有用なソースとなってくるのは、各学会から発行されているガイドラインやUpToDate、DynaMedなどの二次資料かと思います。当院での初期研修では英語教育に力をいれており、UpToDate、DynaMedを院外、院内問わず利用できる環境が用意されております。そして、あまり学生の皆さんには馴染みがないかもしれませんが、海外の医学書やジャーナルを読めるClinicalkeyというサービスとも契約しており、日頃から医学英語に慣れ親しむには良い環境が揃っていると思います。

 ここで個人的に気をつけている点としては、必ず学んだ内容をEvernoteなどのノートアプリに書き留めておく事です。これにより簡易的にアウトプットができ、必要時に自分が知りたい情報にすばやくスマホなどでアクセスできます。

 そして、何より学習効果が高いとされているのは他人に実際に教育すること、いわゆるアクティブラーニングです。当院では、毎朝7:30よりモーニングレポート(M R)が開催されています。M Rでは、指導医からのレクチャーのみではなく、初期研修医が各科で経験した症例や教科書の内容を発表する機会が設けられています。私は、実際に昨年1年間で4回程発表する機会がありました。確かに、スライドなどを作成するのに多くの時間はかかりますが、そうすることによって経験した疾患について同期の誰よりも詳しくなり、学会発表に向けての良い準備にもなります。また、その分、朝1時間ほど早起きしなければなりませんが、研修医なりたての頃は皆、まず何から学び始めれば良いかも分からない中、この機会が日々の学習の一助になると思います。

 ここまで簡単ではありますが、当院の研修環境で、どのように日々、実臨床を学んでいるかをご紹介させていただきました。少しでも参考になりましたでしょうか。もちろん、今回紹介させていただいた内容は最適解ではありません。十人十色であり、向き不向きもあります。私が記させていただいた内容が、当院での初期研修を考えている読者の皆さんの参考になりましたら幸いです。

 最後になりましたが、長文、乱文失礼しました。読んでいただき、ありがとうございます。

手稲渓仁会病院の初期研修といえば…

札幌にも夏がやってきました。本州では毎年のように猛暑の記録が更新されている印象がありますが、札幌はまだまだ過ごしやすい気候が続いているように感じます。一度北海道で夏を経験してしまうと、うだるような蒸し暑さの本州には戻ることができないのではないでしょうか。今年札幌在住8年目、研修医2年目の深澤美智子です。

 今日は表題にもあるように、「当院の初期研修といえば」についてお話しようと思います。私もそうでしたが、当院に見学で来院されたことがある方は、当院の初期研修に様々な特徴を感じたことでしょう。正直、特徴を挙げ続けたらきりがありません(笑)。このため、実際に初期研修の1年間を終えてみて、新たに気づいたことについてお話します。それは研修医が自ら研修を作り上げ、後輩に引き継いでいるという文化です。『屋根瓦式の教育』とは聞くことがありましたが、実際に初期研修を始めてみると、一言では語れない文化の厚みを感じました。

 Morning Report(通称:モーレポ)もその代表かと思います。今年度は私と同期の2名でモーレポ係を担当しています。モーレポは、毎朝7:30より始まる1時間程のlectureです。曜日によっても内容が異なり、月曜日は英語での症例プレゼンが中心、火曜日はサージカルlectureといって外科的な知識に関するプレゼン、その他の曜日は各診療科の先生方のご協力を頂いて、初期研修において知っておかなければならない知識のご指導を頂いております。特に強調すべき点としては、研修医がプレゼンできる場を定期的に用意しており、皆が怖がらず挑戦できる機会になっていることかと思います。ダメ出しをされる場所ではなく、自分のプレゼンスキルを磨く練習の場所、というのがコンセプトです。学会等で多くの人前でいきなりプレゼンをするのは誰しも緊張する場面かと思いますが、当院ではローテーション科を始め、モーレポでも練習する場が日常的にあります。これは今後どの領域に進んだとしても(別の職業に転向しても!?)、生かされる技術の獲得につながると考えます。参加型レクチャーも多く、研修医の活発な意見交換により成り立っているとも言えます。このようなモーレポは研修医がマネジメントをし、自らを高め合おうとする姿勢をもって取り組んできたことで、現在まで続いてきました。軌跡を考えると素晴らしい文化であることを感じます。

 また、もともと初期研修が3年間のプログラムであったこともあり、2年間の初期研修後もPGY3(医師3年目)として当院で働かれる先輩方がいます。この先輩方の影響は非常に大きく、ここで研修を頑張れば彼らのようになれるんだ、頑張らねばと士気が高まると共に、本当にあんな偉大な存在になれるのだろうかと不安も高まります(笑)。当院の総合内科やNF(ナイトフロート)では、PGY3以上の当院初期研修出身の先生をリーダーとして、チームで診療にあたることが多く、その際には丁寧で親身なご指導をしてくださいます。先輩方の指導は学年も近く、そして同じ研修をやりきった経験もあるため非常に心にぐっときます。具体的な医学知識のみならず、人となりを教えていただいている気がします。1年間だけではあるものの、自分や同期の成長を見ると先輩方からの教育があってのものだと痛感しています。このように代々先輩が後輩を指導し育てるという文化が残っているからこそ、初期研修では人が集まるのかもしれません。

 研修医が作り上げる、といえば病院説明会用に作成した動画をご覧になりましたか?多くの研修病院では専門業者に依頼するのが一般的ですが、当院ではなんと研修医が0から作成しております。様々な才能を持った只者ではない研修医が多く、彼らの協力があって当院の研修がより魅力的に作られている一面を感じることができるかと思います。まだ見ていない方は、ぜひレジナビサイトでご覧になってください。

 ぜひ、今後も多くの希望に満ちた方が当院初期研修にて仲間に加わることを願っています。お目にかかれる機会を楽しみにしております。

内科専門研修プログラム オンライン説明会のご案内

将来、内科医を目指している初期研修医の皆さま、こんにちは。
この度当院では、内科各領域が集まり、内科プログラム説明会を開催する運びとなりました。少しでも興味がある方は、ぜひご参加ください。


内科専門研修プログラム オンライン説明会

日時:2020年8月21日(金) 18時30分~
場所:Zoomを用いてWeb上で開催
対象:初期研修医の方
   お申込みは こちら から
※申込締め切り:8月19日(水)
②開催2日前頃にZoom ID, パスワードをお送りいたします。
③説明会当日は送られてきた②のログイン情報にてご参加ください。