手稲渓仁会病院の初期研修といえば…
札幌にも夏がやってきました。本州では毎年のように猛暑の記録が更新されている印象がありますが、札幌はまだまだ過ごしやすい気候が続いているように感じます。一度北海道で夏を経験してしまうと、うだるような蒸し暑さの本州には戻ることができないのではないでしょうか。今年札幌在住8年目、研修医2年目の深澤美智子です。
今日は表題にもあるように、「当院の初期研修といえば」についてお話しようと思います。私もそうでしたが、当院に見学で来院されたことがある方は、当院の初期研修に様々な特徴を感じたことでしょう。正直、特徴を挙げ続けたらきりがありません(笑)。このため、実際に初期研修の1年間を終えてみて、新たに気づいたことについてお話します。それは研修医が自ら研修を作り上げ、後輩に引き継いでいるという文化です。『屋根瓦式の教育』とは聞くことがありましたが、実際に初期研修を始めてみると、一言では語れない文化の厚みを感じました。
Morning Report(通称:モーレポ)もその代表かと思います。今年度は私と同期の2名でモーレポ係を担当しています。モーレポは、毎朝7:30より始まる1時間程のlectureです。曜日によっても内容が異なり、月曜日は英語での症例プレゼンが中心、火曜日はサージカルlectureといって外科的な知識に関するプレゼン、その他の曜日は各診療科の先生方のご協力を頂いて、初期研修において知っておかなければならない知識のご指導を頂いております。特に強調すべき点としては、研修医がプレゼンできる場を定期的に用意しており、皆が怖がらず挑戦できる機会になっていることかと思います。ダメ出しをされる場所ではなく、自分のプレゼンスキルを磨く練習の場所、というのがコンセプトです。学会等で多くの人前でいきなりプレゼンをするのは誰しも緊張する場面かと思いますが、当院ではローテーション科を始め、モーレポでも練習する場が日常的にあります。これは今後どの領域に進んだとしても(別の職業に転向しても!?)、生かされる技術の獲得につながると考えます。参加型レクチャーも多く、研修医の活発な意見交換により成り立っているとも言えます。このようなモーレポは研修医がマネジメントをし、自らを高め合おうとする姿勢をもって取り組んできたことで、現在まで続いてきました。軌跡を考えると素晴らしい文化であることを感じます。
また、もともと初期研修が3年間のプログラムであったこともあり、2年間の初期研修後もPGY3(医師3年目)として当院で働かれる先輩方がいます。この先輩方の影響は非常に大きく、ここで研修を頑張れば彼らのようになれるんだ、頑張らねばと士気が高まると共に、本当にあんな偉大な存在になれるのだろうかと不安も高まります(笑)。当院の総合内科やNF(ナイトフロート)では、PGY3以上の当院初期研修出身の先生をリーダーとして、チームで診療にあたることが多く、その際には丁寧で親身なご指導をしてくださいます。先輩方の指導は学年も近く、そして同じ研修をやりきった経験もあるため非常に心にぐっときます。具体的な医学知識のみならず、人となりを教えていただいている気がします。1年間だけではあるものの、自分や同期の成長を見ると先輩方からの教育があってのものだと痛感しています。このように代々先輩が後輩を指導し育てるという文化が残っているからこそ、初期研修では人が集まるのかもしれません。
研修医が作り上げる、といえば病院説明会用に作成した動画をご覧になりましたか?多くの研修病院では専門業者に依頼するのが一般的ですが、当院ではなんと研修医が0から作成しております。様々な才能を持った只者ではない研修医が多く、彼らの協力があって当院の研修がより魅力的に作られている一面を感じることができるかと思います。まだ見ていない方は、ぜひレジナビサイトでご覧になってください。
ぜひ、今後も多くの希望に満ちた方が当院初期研修にて仲間に加わることを願っています。お目にかかれる機会を楽しみにしております。