2020-08-26

当院の学習環境

みなさん、こんにちは。初期研修医2年目の本間と申します。いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

 読者の多くは当院での研修を考えている医学生の方だと思いますが、医学は学ぶ範囲がとてつもなく広く、日々勉強机に向かって悪戦苦闘しているかと思います。そして、(残念ながら?)それは医師になっても変わらず、特に研修医期間は毎日新たな学び、疑問が湧いてきます。そこで、せっかく執筆の機会をいただいたので、僭越ではありますが、私自身が普段どのように臨床疑問、いわゆるクリニカルクエスチョンと相対しているかをご紹介したいと思います。

 皆さんは、ラーニングピラミッドをご存知でしょうか。医学生が普段聞いている講義や、課題図書を読むことなどはパッシブラーニングと呼ばれ、実は学習定着率があまり高くありません。しかし、知識の下地を作るという点では不可欠です。ここで、初期研修医として一番有用なソースとなってくるのは、各学会から発行されているガイドラインやUpToDate、DynaMedなどの二次資料かと思います。当院での初期研修では英語教育に力をいれており、UpToDate、DynaMedを院外、院内問わず利用できる環境が用意されております。そして、あまり学生の皆さんには馴染みがないかもしれませんが、海外の医学書やジャーナルを読めるClinicalkeyというサービスとも契約しており、日頃から医学英語に慣れ親しむには良い環境が揃っていると思います。

 ここで個人的に気をつけている点としては、必ず学んだ内容をEvernoteなどのノートアプリに書き留めておく事です。これにより簡易的にアウトプットができ、必要時に自分が知りたい情報にすばやくスマホなどでアクセスできます。

 そして、何より学習効果が高いとされているのは他人に実際に教育すること、いわゆるアクティブラーニングです。当院では、毎朝7:30よりモーニングレポート(M R)が開催されています。M Rでは、指導医からのレクチャーのみではなく、初期研修医が各科で経験した症例や教科書の内容を発表する機会が設けられています。私は、実際に昨年1年間で4回程発表する機会がありました。確かに、スライドなどを作成するのに多くの時間はかかりますが、そうすることによって経験した疾患について同期の誰よりも詳しくなり、学会発表に向けての良い準備にもなります。また、その分、朝1時間ほど早起きしなければなりませんが、研修医なりたての頃は皆、まず何から学び始めれば良いかも分からない中、この機会が日々の学習の一助になると思います。

 ここまで簡単ではありますが、当院の研修環境で、どのように日々、実臨床を学んでいるかをご紹介させていただきました。少しでも参考になりましたでしょうか。もちろん、今回紹介させていただいた内容は最適解ではありません。十人十色であり、向き不向きもあります。私が記させていただいた内容が、当院での初期研修を考えている読者の皆さんの参考になりましたら幸いです。

 最後になりましたが、長文、乱文失礼しました。読んでいただき、ありがとうございます。