モーニングレポート以外の医学教育
初めまして、手稲渓仁会病院初期研修医2年目の齋藤です。当院の研修プログラムの特徴といえば、先日浅井先生が紹介してくれた平日朝のモーニングレポートですが、それ以外にも平日夕方や週末などにさまざまな形でレクチャーやワークショップが開催されています。今回はそれらについていくつか紹介していきたいと思います。
1.感染症コンサルタント青木眞先生による感染症レクチャー
当院では年間を通して、米国感染症内科専門医であり、「レジデントのための感染症診療マニュアル」の著者である青木眞先生による感染症のレクチャーを受けることができます。過去には当院にお招きして症例検討会等も行っておりましたが、コロナの影響から昨年度からはZoom形式での感染症レクチャーをしていただいています。感染症診療の原則から始まり、各種抗菌薬・抗真菌薬などの内容を米国感染症内科研修時代の経験も交えながら、明快かつユーモアあふれるレクチャーを受けることができ、研修医だけではなく、専攻医や指導医、薬剤師の方なども多く参加する大人気の講演となっています。
2.Lonny Ashworth先生の人工呼吸器ワークショップ
Lonny Ashworth先生は米国Boise State University Department of Respiratory Careの教授で、毎年日本各地で人工呼吸器ワークショップを行っている先生です。こちらもコロナの影響で昨年度からZoom開催となりましたが、研修医1年目向けのBasicと2年目向けのIntermediateのワークショップが各2日ずつ行われました。人工呼吸器のモードや設定方法など、人工呼吸器にまだ触れたことのない研修医にも分かりやすい内容で、今年も秋以降の開催が予定されています。
3.臨床研究の教育講演会
外部から講師の方をお招きして①医療統計の基礎、②EZRを使った統計解析演習、③伝わる抄録の書き方をテーマに講演会・グループワークを行っています。教科書を読んでも解決しない疑問がある、自身の診療を振り返って明日からの診療のエビデンスにしたい、科学的な手法を身につけて学会発表や論文掲載を目指したい、そんな研修医に対して当院では臨床研究を経験することで学ぶ機会が提供されています。
その他、過去にはカルフォルニア大学サンフランシスコ校内科学教授のローレンス・ティアニー先生をお招きして症例検討会も行っており、このコロナ禍の中ではありますが医学教育の機会が減ってしまわないようにさまざまな企画を開催しています。誠に残念ながら先日見学生の受け入れを一旦中止することとなりましたが、少しでも興味を持ってくださった学生の皆様、見学の受け入れが再開となった際にぜひ一度当院にいらしてください。
齋藤 匠