2023-05

6/26(月)オンラインセミナーのご案内

医学生のみなさまへ

こんにちは。手稲渓仁会病院臨床研修部事務局です。
このたび、今年度第1回のオンラインセミナーを行う運びとなりましたのでご案内させていただきます。

今回の第1部は、University of California San Franciscoの内科助教授である
Dr. Rabih Gehaによるケースカンファレンスです!

Dr. GehaはThe Clinical Problem Solversという全米の医学生や若手医師に
大人気の臨床推論教育チームの一員です。
当院の初期研修医に対してモーニングレポート(注:初期研修医向けに平日の朝行っている勉強会)の一環としてケースカンファレンスを行って下さっています。

Dr. Gehaはご自身がアメリカ出身でないこともあり、多様なバックグラウンドに対する理解が深く、英語が第一言語でない人に対する配慮も欠かしません。
英語に自信がなくても、最後には「参加して良かった」と思っていただけるはずです。

今回は、そんなDr. Gehaのモーニングレポートに参加できる貴重なチャンスです!
ビデオoff, マイクoffでの参加も大丈夫ですので、当院の研修医が受けている英語臨床教育をぜひ体験してみてください!

また、第2部ではブレイクアウトルームに分かれていただき、現役研修医とのトークセッションを予定しています。
少人数制ですので、当院に興味のある方、リアルな研修医の声をもっと聞いてみたいという方、この機会にぜひご参加をいただければ幸いです。

2023年度 第1回 医学生のためのオンラインセミナー
◆日 時:2023年6月26日(月)18:30〜20:00 on zoom
◆対 象:医学部5年生、6年生
◆申し込み締切:6月21日(水)
◆定 員:30名(定員となり次第、締め切らせていただきます)

お申込み・詳細はこちら↓
https://forms.office.com/r/f02KAj9Q6y

どうぞ宜しくお願いいたします。

 

米国臨床留学マッチング・増田先生インタビューその4

こんにちは!今回でテキサス大学ガルベストン校(University of Texas Medical Branch)内科レジデンシープログラム(Internal Medicine Residency)にマッチされた増田先生のインタビューは最終回です。どうぞ!

ーー英語はどのように勉強されたんですか?増田先生は帰国子女というわけでもないですよね。

増田 その通りで、もともと海外で住んだ経験がなく、英語に対して苦手意識がありました。そのため、4年目のときに米軍基地病院(U.S. Air Force 374th Medical Group, Yokota AB)で1年間、Japanese Physician fellow として研修を行いました。米軍基地での1年間でTOEFL iBTの点数が10点以上アップしました。ほかにも、日々オンライン英会話に取り組んだり、海外ドラマでリスニングのトレーニングをしたりしています。

ーー長期間にわたって同じ目標を追い続けるのは大変なことだと思います。モチベーションはどのように維持していたんですか?

増田 短期的な目標と長期的な目標を常に意識することですね。あとは、お手本となるロールモデルを探したり、同じ目標をもつ人と連絡をとったりすることも大事だと思います。

ーーテキサス大学でのレジデンシープログラムにはどのようなことを期待していますか?

増田 日本で内科専攻医のトレーニングを開始していないため、米国でも内科全般のトレーニングに引き続き励みたいと思います。大学病院(University-based program)であるため複雑な病態にも遭遇したり、また、Texas Department of Criminal Justiceという囚人が入院している病院のローテーションを通じて、社会的な問題に触れたりすることもできると思います。テキサス大学のプログラムはリサーチにも力を入れており、臨床研究にも取り組みたいと思います。

ーーレジデンシープログラム修了後の進路はもう考えていますか?

増田 Internal Medicine Residency を終えた後は、Infectious Diseases Fellowshipに進みたいと考えています。

ーー最後に、日本中のアメリカマッチングを目指す医学生・研修医に一言お願いします!

増田 諦めないこと。あとは、情報を多方面から収集して、多角的に判断・対処することが大事です。

ーー本日はありがとうございました。米国でのご活躍を期待しております!たまに手稲渓仁会病院に帰って来て、お話を聞かせて下さい!

増田 ありがとうございました!

今月は、手稲渓仁会病院総合内科から増田先生のインタビューを4回に渡ってお届けしました。手稲渓仁会病院では、初期研修中に頻繁に英語に触れられる機会があります。現在はテキサス大学から1ヶ月交代でレジデントの先生が来てくださり、英語教育や米国マッチングなどの相談に乗ってもらうこともできます。手稲渓仁会病院で研修を行った後、海外で医師として働いている先輩もたくさんいらっしゃるので、将来米国に限らず英国やオーストラリアなど、海外で臨床医として働いてみたい方は一度見学に来てみて下さい!

米国臨床留学マッチング・増田先生インタビューその3

こんにちは!今回も引き続き、テキサス大学ガルベストン校(University of Texas Medical Branch)内科レジデンシープログラム(Internal Medicine Residency)にマッチされた増田先生のインタビューです。どうぞ!

ーー米国への臨床留学となるとUSMLEの各ステップの合格が必須となりますが、どのようなタイミングで合格されましたか?

増田 USMLE Step1は大学6年生の12月、USMLE Step2CKは 初期研修2年目の1月に受験しました。USMLE Step3は4年目の3月にハワイで受験しました。いずれもUWorld やAmbossなどのQuestions bankを中心に勉強しました。Step1のときはFirst Aidを読み込みました。OETは4年目の夏に受験しました。Sample問題やOfficial OET Practice Book、OET Onlineを中心に勉強しました。なので、医学部6年生12月から4年目の3月という長い時間をかけて、ようやくすべてのUSMLEのStep(Step1-3, OET)に合格し、ECFMGを取得することができました。

ーーさらに、そこから米国病院とのマッチングまでにどのような準備が必要でしたか。

増田 ECFMG取得後は、Personal Statementなどの書類作成に取り組みはじめました。マッチングは卒後5年目の時に参加しました。マッチングの書類提出期限(Personal Statement, CVなど)は9月末だったのですが、8月頃から、応募するプログラム(VISAは発行してくれるのか、推薦状は何通必要なのか、なども含め)についての各々のプログラムのウェブサイトで下調べを開始しました。10月頃よりインタビューの招待メールが届き始めました。オンライン英会話で、英語での面接の練習を9~10月ごろより本格的に開始しました。面接シーズンは11月初旬~2月半ばまで長期に渡り、計20回弱の面接を受けました。

ーー米国マッチングで大変だったことは何ですか?

増田 大変なことばかりでした。USMLEの試験を突破しECFMGを取得するまでも一苦労でしたが、そこからのマッチング参加への準備も大変でした。用意する書類(Personal Statement, Curriculum Vitae, Medical Student Perfor-mance Evaluation、Supplemental ERASなど)が多く、書類準備だけでも1日が終わってしまうこともありました。また、私が参加した年は、面接はオンライン(ZoomやTeamsなど)で行われましたが、アメリカとの時差があり、面接は日本時間の深夜(例:深夜12時30分から4時半まで、ハワイの場合は深夜2時から朝の9時まで)に行われました。日中は仕事をしていたので、体力的にもきついと感じたことが多々ありました。

ーー仕事と勉強のタイムマネジメントは大変ですよね。

増田 朝は早く起きてマッチングの書類準備や面接練習をし、仕事面では残業をせずに早く帰宅できるように、日中は仕事に集中するようにしていました。

ーーマッチングについての情報収集はどうやっていたんですか?

増田 最近はSNSも発達しており、Facebook やTwitter,Discord, Google spread sheet などを活用しました。また、日本人の医師の友達とも情報交換をしたりしました。

(次回に続く)

道プレ!に参加します!

医学生のみなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。

当院臨床研修部は、5月14日(日)に開催される「道プレ!~北海道の臨床研修病院合同プレゼンテーション2023~」に参加予定です。

研修医、専攻医(外科)、事務局がみなさまをお待ちしております。
ぜひブースにお立ち寄りください!

日時:2023/5/14(日)10:00~15:00
会場:札幌パークホテル地下2階 パークプラザ「25番ブースへ!!」
詳細・お申し込みは こちらから

米国臨床留学マッチング・増田先生インタビューその2

みなさま、こんにちは!今回は前回に引き続きテキサス大学ガルベストン校(University of Texas Medical Branch)内科レジデンシープログラム(Internal Medicine Residency)にマッチされた増田先生のインタビューです。続きをどうぞ!

ーー初期研修で手稲渓仁会病院を選んだ理由は何だったんでしょうか?

増田 外国人医師による指導をはじめとして、医学英語教育に力を入れていたことに魅力を感じたことや、同じ志を持つ同期や先輩・後輩に出会えると感じたからです。

ーー実際初期研修を行ってみていかがでしたか?

増田 初期研修中は忙しく、資格についてはなんとかスキマ時間を見つけながらUSMLE Step2 CKに合格するのが精一杯でした。一方で、私が初期研修を行っている間にも多くの先生がレジデンシープログラムにマッチしていきました。結果として、私の1-5年目の間に10人の先輩・同期・後輩が米国・カナダ・英国での臨床留学を実現されました。

ーーかなりの人数ですよね。

増田 それに加え、宮田真先生(現:SSM Health Cardinal Glennon Children’s Hospital 小児外科)や中嶋優子先生(現:Emory University 救急科/国境なき医師団会長)など、米国で活躍されている先生方が手稲に来てくださったりして、多くの刺激をもらいました。

ーー手稲渓仁会病院の研修内容についてはどうでしたか?

増田 米国でのレジデンシープログラムは比較的忙しく、それに備えて日本にいるうちに内科救急を中心とする臨床力を身に付けたいと望んでいました。その点で手稲渓仁会病院での研修はプラスになったかなと思います。初期研修中の総合内科、循環器内科、ナイトフロート (病棟管理・新入院対応)はとても大変で、毎日、”あと何日で終わるかな”とカウントダウンばかりしていました。二度とやりたくないと思っていましたが、当時の苦労は振り返ればプラスになったかな、と感じております。

ーー初期研修では先生も苦労されていたのですね。

増田 当時の3年目の先輩から屋根瓦式で多くのことを学び、また、“総合内科のカンファレンスで指導医からの多くのフィードバックを通じてプレゼンテーションスキルも磨くことができました。

ーー確かに総合内科のカンファレンスでは新たな観点に気づかされることは多かったです。

増田 3年目も、引き続き手稲渓仁会病院で研修しました。3年目だった当時、とくに総合内科は“超過渡期”で指導医不足の時期があり、日中の内科病棟に私以外の医師が初期研修医の先生しかいない、という日もありました。大変なこともありましたが、病棟チームリーダー的なポジションをやらせていただき、責任をもって診療にあたったり、後輩指導に携わったりした経験のおかげで、内科診療に自信を持てるようになりました。

ーー手稲渓仁会病院での初期研修3年目を選択されて、臨床留学にはプラスになりましたか?

増田 初期研修3年目はフレキシブルに研修ができ、時間も取りやすかったため、当院の指導医の先生と臨床研究にも取り組みました。研究業績はまだまだですが、マッチングの面接の際も自分の研究に興味を持ってくれる米国人医師もおり、やってよかったなと思えました。私の場合英語が堪能ではないため、米国で生き残るにはその分臨床能力で補うのが大切だと実感しています。まだ米国での仕事は開始していませんが、手稲渓仁会病院での臨床経験が今後、米国での診療にも活きることを信じています。

(次回に続く)

米国臨床留学マッチング・増田先生インタビューその1

みなさん、こんにちは!
今回は、今年度テキサス大学ガルベストン校(University of Texas Medical Branch)での内科レジデンシープログラム(Internal Medicine Residency)にマッチされた手稲渓仁会病院総合内科 増田先生にお話を伺いました。当ブログの読者には、米国でのレジデンシープログラムでの研修を考えておられる方も多いと思います。マッチまでの道のりについて、とても参考になるお話を聞くことができましたので、今月から4週にわたってお届けします。それではどうぞ!

ーーこんにちは!まずは米国でのレジデンシープログラムマッチおめでとうございます!

増田 ありがとうございます!

ーーまずは先生の経歴について教えてください。

増田 2018年3月に北海道大学医学科を卒業して、初期研修は手稲渓仁会病院で行いました。手稲渓仁会病院では初期研修2年修了後に初期研修3年目に進むこともできるのですが、こちらを選択し、3年目も手稲渓仁会病院で研修を行いました。4年目には横田基地の米空軍病院の日本医師フェローシッププログラムに進みました。5年目(2022年)は再び手稲渓仁会病院に戻り、総合内科に所属していました。

ーーということは卒後5年間のうち4年を手稲渓仁会病院で過ごされたんですね。臨床留学を考え始めた時期やきっかけは何だったのでしょうか?

増田 幼い頃、自動車関係の仕事をしていた父親が頻繁に海外出張に行っていたことで刺激を受け、もともと海外で働くことには興味をもっていました。また、幼いころからスター・ウォーズにハマっており、アメリカへの憧れもありました。

ーースター・ウォーズ!いいですよね!

増田 それで大学2年生の時に、先輩がUSMLEのStep1に合格したとの報告を受けて、米国への臨床留学という道があることを知り、大学4年生くらいのときからUSMLEの問題集(First Aid Q&A for the USMLE Step 1)を解き始めました。その後、オンラインクエスチョンバンク(UWなど)を購入して本格的に勉強に取り組み始めたのは5年生の冬からでした。

ー米国で臨床医学をやりたいと考えるようになったのはなせですか?

増田 大学生の頃、臨床講義や実習が始まるにつれて、臓器横断的なアプローチができ、かつ頭脳を使う内科のおもしろさに気づきました。さらに、米国でInternal Medicine Residency/Geriatrics Fellowship/ Infectious Diseases Fel-lowship を経て、当時市立札幌病院の感染症内科で勤務されていた児玉文宏先生(現:新潟県長岡赤十字病院 総合診療科部長)をはじめとする、感染症内科の先生方との出逢いが大きかったですね。臨床感染症学の奥深さに気づき、研修システムが発達している米国でInfectious Diseasesを学びたいと思うようになりました。

(次回に続く)