UCSF Rabih Geha先生が来日
初期研修医2年目の三瀬です。今回は、6月の総合内科のローテーション中にアメリカからRabih Geha先生が来日され、直接指導していただける貴重な機会がありましたので報告させていただきたいと思います。
Geha先生はUCSF (University of California, San Francisco)のAssistant professorであり、またClinical Problem Solversというオンラインコンテンツを通じて全世界の若手医師に臨床推論教育を行っている、Clinical reasoningのスペシャリストです。当院の朝のモーニングレポートでも、研修医が発表する症例に対して、共にディスカッションしていただいている先生です。
私が抱いた第一印象は、「なんて優しそうな人なんだ」でした。今までも画面を通じて、彼からは優しさはあふれていましたが、直接話してみると会話の一つひとつに思いやりを感じました。
Geha先生とのローテーションでは、朝のカンファレンスから始まります。新たな入院患者さんについてのプレゼンテーションと、入院中の患者さんのプレゼンテーションを英語で行います。そのあとに、Geha先生より各患者さんのメインの問題に関するレクチャーがあります。このレクチャーは、彼の知識の奥深さを感じるだけでなく、常に新たな発見がある刺激的な講義でした。その後、一緒に病棟回診をするのですが、そこでもGeha先生に驚かされました。診察に関しての質問をさせていただくと、診察についてどこに着目するかだけでなく、今後の方針についての助言であったり、日本とアメリカの医療における違いなど、期待した以上の回答が得られ非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。
Geha先生とのカンファレンスの様子
Geha先生から学んだことは、大きく二つあります。一つ目は、診断に対するアプローチの仕方です。日々診療していく中で、ただ鑑別疾患を上げるだけでなく、その鑑別疾患を上げるためにカテゴリーで分類し、思考過程をたどるプロセスをとることで漏れのない鑑別を上げていくことが可能になるのだと、改めて再確認することが出来ました。
二つ目は、学びに対する姿勢です。日々医療が進歩していくなかで、知識を更新し続けることは不可欠です。一方で、限られた時間の中での効果的に学び続けていくことは時として困難となることもあります。彼は、日々学び続けているだけでなく、自身がさまざまな教育の場を提供しています。私たちのモーニングレポートもしかり、このような場で学びをアウトプットしていくことで知識がより強固になっていくのだと感じました。
間近で彼の知識の深さや、教育に対する熱心さを経験することができ、これからの医学に対するとらえ方が大きく変わりました。1週間あまりと短い期間でしたが、かけがえのない貴重な経験をすることができました。