2023-08

TKHモーニングレポート

こんにちは!研修医2年目の照沼と申します。

2年目の研修医には、本ブログを担当するSNS係をはじめいろいろな係があり、それぞれが重要な役割を担っています。私は3人いるモーニングレポート係のうちの子分②ですが、代表して当院初期研修の特徴の一つである「モーニングレポート」(以下モーレポ)についてご紹介します!

○モーレポとは?

モーレポとは、ほぼ毎朝行われる1時間の研修医の教育のための時間です。内容は多様であり、当院指導医によるレクチャーの日もあれば、研修医による症例発表(日本語も英語も!)、エコーなどのハンズオンセッションなど、さまざまな形式で朝の学びの時間が確保されています。不定期で当院初期研修の卒業生による講演も行われ、海外で活躍されている先生や研究などアカデミアに専念されている先生の話も聞くことができ、キャリア形成の参考にもなります。

開催時間は7:30-8:30と早いですが、意欲的な研修医仲間とともに、学びの多い時間となっております!

○日本語モーレポの内容は?

救急対応、よく診る疾患の診断や初期治療、よく使われる薬について、感染症診療の基本、小児科の診察方法など、初期研修医としてマスターしたい基礎的な内容が中心となっております。レクチャーを担当してくださる指導医の先生方は皆とても教育熱心であり、モーレポは日々の臨床で浮かぶ疑問を解消する場としても重要と感じます。

また、レクチャーを受けるだけではなく、研修医が積極的に発表する機会も多くあります。症例を提示してディスカッションを行う症例検討会や、ローテートした科で勉強したことを共有する研修医発表などを通して、発表する研修医にとっても発表を聞く研修医にとってもアクティブに学ぶ機会となっています。

○英語モーレポとは?

当院の英語教育の一環としてモーレポは大きな役割を果たしています。英語モーレポは毎月のモーレポの半分弱を占めており、米国人医師によるレクチャーと当院研修医による症例発表が主な形式です。米国人医師はどなたもとても優しく、教育熱心であり、内科的な考え方をわかりやすく説明してくださいます。当院と提携しているテキサス大学 (UTMB) からは週1回レクチャーがあり、日本でもよく臨床の場面で遭遇する急性疾患の管理から、宇宙医学などの珍しい分野について話を聞くことができます。また、米国人神経内科医師により、月に1回神経内科のレクチャーをお願いしており、神経診察や神経学的異常の解釈について教えていただいています。

○英語に自信がないけど、ついていけるかな?

見学生でこれについて悩まれる方は多いです。実際のところ研修医の英語レベルはさまざまなので一人ひとりに合わせるのは難しいですが、継続的に英語に曝露されることで段々慣れて上達することを、私は同期を見てきて実感しました。米国人医師も研修医全員がネイティブでないことも理解しており、なるべくゆっくり、わかりやすく話すように配慮してくださいます。初めは全部聞き取れなくても、モーレポ内で発言して質問したり、モーレポ後に同期に確認したり、聞ける人にどんどん質問していくことで自信がつくと思います。

○モーレポのテーマは誰が決めるの?

モーレポの予定を組むのはモーレポ係ですが、随時研修医からレクチャー内容を募集しております。そのため、モーレポは研修医全員で作り上げるものと言っても過言ではありません!

○最後に

このブログを通して、モーレポの魅力は伝わりましたでしょうか?言葉だけではなかなかイメージが湧かないと思いますので、少しでも興味あればぜひ見学に来て、実際に雰囲気を味わってください!お待ちしてます!!

SGIM(米国総合内科学会)参加報告

初めまして、当院の元初期研修医、現麻酔科専攻医1年目の青山です。

最近はコロナが5類に移行し、国内学会も現地開催のものが増えてきているのではないでしょうか。

そんな中、私たちはアメリカで開催されたSGIM(米国総合内科学会 2023年5月10日~13日)に参加させていただきました。当院の歴代研修医が国際学会に参加し、楽しく良い経験になったとお話されていたのを聞いていたため、いつか参加してみたいと思っていました。

研修医2年目の総合内科ローテーション中に、血管内リンパ腫という珍しいリンパ腫を疑う症例を経験し、指導医の先生方からの応援もあり抄録を提出しました。演題が通ったとメールをいただいた時から参加を待ち望んでいました。また、同期と後輩研修医も演題が採択され、手稲渓仁会病院からは計3人の研修医が参加しました。

場所はロッキー山脈のあるコロラド州、デンバーです。あいにくの天気で曇りや雨も多かったですが、学会会場内からもきれいな景色を見ることができました。

学会はポスター発表と口頭発表の2種類があり、私たち3人ともポスター発表でした。

200枚以上のポスターが展示されるスペースの中で90分間展示して、興味を持って下さる先生とディスカッションする形式です。少しでもポスターを読んでいただける先生を引き留めたり、話しかけてみたり、さまざまな先生と交流し日本とアメリカの医療事情の違いをはじめ、興味深い議論をすることができました。

学会最終日はホールで朝食も提供され、以前当院にも来院されていたDr. Gehaの講演を聴くこともできました。講演前にもDr. Gehaや当院のモーニングレポートに出て頂いている米国内科医の先生方からも直接声をかけていただいて、渓仁会がいかに英語教育に恵まれた環境なのか改めて気づかされました。

また、日本人の先生にも数人お会いすることができ、中には今年度のマッチに応募するため興味のある施設の先生に声をかけたり、将来へ向けてのコネクション作りをしている先生もいました。

留学に興味のある先生も、そうでない先生もさまざまな楽しみ方ができる学会でした。将来的に国際学会への参加に興味のある学生さんも、是非当院に見学にいらして学会発表した先輩のお話を聞きに来て下さい。

学会の後に有給を利用してロサンゼルスで観光を楽しんだのはここだけの秘密です。

※ブログ編集部補足

今回の米国総合内科学会(2023 Society of General Internal Medicine Annual Meeting)では、3名の当院研修医が発表しました。発表演題は以下のとおりです。

AbstractはJ GEN INTERN MED 38 (Suppl 2), 81–799 (2023).  こちら よりご覧下さい。

Mariko Aoyama, Tetsuya Hoshi, Kaito Nakamura, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Megumi Sano, Yoshimoto Serizawa, Taku Shimizu, Satoshi Oota. A Lymphoma With no Mass; a 75 Year old Female Diagnosed With Diffuse Large B Cell Lymphoma.

Satoki Hatano, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Mariko Shimazu, Megumi Sano, Koki Kikuchi, Kaito Nakamura, Kimi Kase, Tetsuya Hoshi. Drug Eruption of Acetaminophen With Undiagnosed Sjogren’s Syndrome.

Sumire Isomura, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Mariko Shimazu, Megumi Sano, Tetsuya Hoshi. A Case of Dementia Patient With Malnutrition Secondary to Possible Institutional Neglect.