麻酔科ローテーションの紹介 脊髄くも膜下麻酔

麻酔科で恒例となっている脊髄くも膜下麻酔の研修について紹介します。

 脊髄くも膜下麻酔は、手技としては腰椎穿刺の延長上にあるものです。腰椎穿刺は初期研修の必修手技と国が定めています。これは髄膜炎の診療がプライマリーケアの一部として重要視されているためでしょう。
 当院の初期研修では1年目に1ヶ月必修として麻酔科をローテートしており、その中で脊髄くも膜下麻酔に積極的に取り組んでもらっています。この研修における特徴は、「課題に沿った自己学習」と「口頭試問による評価・補足」です。ただ手技に取り組むのではなく、きちんとした知識を身につけたうえで取り組んでほしい。そのために考えた方法です。
 講義でなく自己学習という形をとるのは、主体的に勉強することで知識がより良く定着すると考えたからです。口頭試問では1時間ほどかけて課題に対する回答・背景知識・思考過程を問います。不足があれば私が解説して補い、必要な知識を完成させます。麻酔科をローテートするのは毎月1-2名なので、こうしたきめ細かい方法が可能になります。
 実際の手技を行う段階においても研修医各自が熱心に取り組んでおり、自己学習が一層の積極性を生んでいるのではないか、と感じています。幸いなことに研修医からも、この研修スタイルに高い評価を得ています。

 研修医の自己学習の成果や思考過程を問う口頭試問では各研修医の個性にも接することができ、指導医の私にとって重要な時間になっています。今年も多くの研修医と接することを楽しみにしています。

麻酔科上級医