医学生の皆さん、こんにちは。PGY2 チーフレジデントの樋口です。
本日は学生の方も気になっているであろう、手稲家庭医療クリニック、通称「かりんぱ」のローテーションに関してお話ししたいと思います。「かりんぱ」は、渓仁会本院から徒歩10分の場所にある、渓仁会を母体とするクリニックです。ちなみに「かりんぱ」はアイヌ語で「桜」を意味する言葉です。春になると美しい桜の風景が広がる軽川の近くに位置しています。
基本家庭医療科の医師が所属していますが、クリニックは内科、小児科、産婦人科を標榜しており、成人の内科的な診察だけでなく、1歳未満を含む軽症の小児の診察や、経膣エコー等を用いた婦人科診察をおこなうこともできます。
また、「はまなす」という訪問看護ステーションも併設しており、訪問診療もおこなっています。
かりんぱローテーションは、外来研修の一環として選択が可能です。同じ渓仁会グループの施設ですが、common diseaseにたくさん触れられたり、訪問診療を体験できたりと、渓仁会本院での研修とは違った学びを得られます。
・1日の流れ(2024年5月現在)
8:40-8:45:朝礼
ここで連絡事項が共有されます。初日や最終日は簡単な挨拶をします。
8:45-11:30:午前の診察
研修医は輪番(定期外来ではない外来)を担当します。輪番は発熱とそれ以外に分かれており、どちらもcommon diseaseをたくさん診ることができます。患者の受付は11:30で終了ですが、診察は続くことが多いです。
午前の診療終了-13:30:昼休憩
この間に昼食をとります。
13:30-16:00:午後の診察
午前と同じ要領でおこないます。
17:30ごろ:1日の振り返り
その日の指導医と振り返りたい症例や疑問などを共有し、他の医師とディスカッションします。木曜日のみ午後休診で、午後に多職種で勉強会をおこないます。時々訪問診療について行くこともあります。(希望すれば複数回同行できるかも?)
・多職種勉強会
前述の通り、毎週木曜日の午後は休診なので多職種で勉強会をします。毎週違ったテーマを扱います。私がローテーションした際は、インスリンやGLP-1受容体作動薬の自己注射を、実際に練習キットを使用してやり方を学んだ会がありました。意外と薬剤によって器械の形状や、使用方法が違うことを初めて知りました。自己注射のやり方を知っておくことで、訪問診療の際にお手伝いができたり、薬剤選択の際により患者個々人に合った選択が可能になると思いました。
他にも、当院で初期研修をされたアメリカ留学中の家庭医療科の先生が一時帰国されていたので、お話を伺う会もありました。アメリカと日本の家庭医療の違いなどを知ることができました。
また、訪問診療患者の治療方針についてディスカッションをおこなうこともありました。
・かりんぱの魅力
かりんぱに関してざっと説明をさせていただきましたが、ここからは私個人が感じたかりんぱの魅力について説明します。
①多くのcommon diseaseを経験できる
渓仁会本院でもNF(ナイトフロート)といった必修の救急外来研修はありますが、かりんぱでは更に多くの症例数を経験することができ、さらにそのほとんどはcommon diseaseです。感冒や生活習慣病等を外来でたくさん経験でき、大変勉強になります。感冒や生活習慣病等を外来でたくさん経験でき、大変勉強になります。
common diseaseを外来でフォローしながら治療していく、例えば健康診断で高血圧を指摘された患者が来院し、緊急の降圧対象でなければ生活指導をし、血圧手帳をお渡しし日々の家庭血圧を測定してもらい、後日フォローして治療方針を決めていく、こういった本院で経験することが難しい流れを経験できるのは、家庭医療クリニックであるかりんぱならではの魅力と言えます。
②教育体制が整っている
かりんぱでは多くの症例数を保ちながら、さらに教育の質も担保されています。毎日上級医の中から指導医が決められており、研修医は患者を帰宅させる前に、原則全例指導医に相談する必要があります。ここでショートプレゼンの練習ができ、また問診や診察のフィードバックをしていただけたり、方針のディスカッションをすることが可能となります。自信がない主訴だった場合、診察前に診察の流れを打ち合わせすることも可能です。私自身も相談することで不足していた部分に気づくことが多々ありましたし、すぐに相談可能なのは非常に安心感がありました。
また前述した通り、1日の終わりに指導医と外来を担当した医師達で振り返りをおこないます。ここで些細な疑問が解消できたり、他の医師が診た症例からも学ぶことができ、大変勉強になります。
③職員さんが皆とても優しい
私自身、外来診療にあまり慣れていなかったため最初はわからないことが多かったのですが、コメディカルやクラークの方々が非常に優しく、わからないことはなんでも教えていただけて、診療の手助けをして下さったのでスムーズに診療をおこなうことができました。
本院とは違う職員さんなので初めての方がほとんどですが、職員さんが優しく仕事がしやすいのも、かりんぱの魅力の一つだと思います。
・最後に
以上、手稲家庭医療クリニック「かりんぱ」での研修を紹介させていただきました。
もちろんかりんぱの見学も可能なので、興味があればぜひ一度当院へ見学にお越しください。
ぜひ当院で研修をして、学びの多いかりんぱでの外来研修を選択してみてください!
※執筆時点(2024.5現在)の情報です
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