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手稲渓仁会病院と米国大学病院のつながり

こんにちは。総合内科の増田と申します。

今回は、現在当院が米国の大学病院とどのような繋がりをもっているのか、どのような臨床渡米支援をしているのかについて、紹介したいと思います。

手稲渓仁会病院は、20年以上前から臨床渡米を目指す先生を支援するユニークな環境が整っています。この20年の合計として20人超の臨床留学者を輩出しています。実際、自分が2018年4月に当院で初期研修を開始してから、多くの先輩・同期・後輩が米国での臨床渡米(内科レジデンシー、家庭医療レジデンシー、救急レジデンシー、小児科レジデンシー、血管外科レジデンシー)を実現させました(2022年4月現在)。

私も近い将来米国臨床渡米を目指している身分ですが、臨床渡米を目指している人が他人に言われがちである「臨床留学なんて意味ない」「日本のトレーニングで十分」といった心無い言葉を当院に入職して以来一切耳にしたことがありません。

また、当院での研修・勤務は「USMLE取得や臨床留学のマッチングはハードルが高いけれども、短期間でも米国の医療を体験してみたい」という想いを持つ先生方にも適しています。

(1)米国留学Externshipへの参加

手稲渓仁会病院では米国の提携病院(後述の3カ所)へのExternshipの機会を提供しています。現時点では初期研修2年目は1週間、初期研修3年目(当院独自のPGY3プログラム)の先生は1ヶ月の院外研修が認められています。

Externshipの目的に関しては、将来渡米を目指す医師がUS clinical experienceを得るためだけでなく、「日米の医療の違いを学んでみたい」「臨床渡米やUSMLEはハードルが高いけれども短期間でも米国で研修してみたい」といった動機でも問題ありません。

(2)米国University Hospitalsとの交流

◆University Hospitals Cleveland Medical Center, Case Western Reserve University (CWRU) School of Medicine

OhioのClevelandにあるCWRUの大学病院でExternshipを施行することが可能です(診療科は要相談)。

また、選考基準や要件(※)を満たせば、提携先のCWRUで3年間Internal Medicine Residencyトとして臨床留学できる「Salmons Coming Back Program(別名:UHCMC International Scholarship Program)」というユニークな留学制度を設けています。University-basedのプログラムであり、日本では経験できない貴重な疾患も経験でき、また、Research 活動に従事する機会もあるプログラムです。当院で以下の要件を満たすと、米国のUniversity hospital のプログラムである University Hospital Cleveland Medical Centerの内科レジデンシーのポジションを得ることができます。

※現時点での要件としては以下のとおりです。

  1. ECFMG Certificate 取得者
  2. 院内選考通過者
  3. 院内選考通過後にCase Western Reserve University(CWRU)内科でエクスターン(4週間)を行い、面接を含め、高評価を受けること(ただし、COVID-19の流行状況によってはVirtual interviewに変更する可能性あり)。
  4. その後、マッチングを経てCWRUに正式採用。
  5. 他条件(勤務時間・ローテーション内容等)は他一般レジデントと全く同じ。
  6. レジデンシー修了後は米国内科専門医を取得でき、フェローシップへの応募以降も同条件。
  7. 専門研修を含む米国での全研修を終了後、手稲渓仁会病院で5年間の勤務義務あり。

*要件に関しては随時変更の可能性があります。

◆University of Texas Medical Branch at Galveston (UTMB)

2022年5月を以て、UTMBと提携が結ばれました。UTMBへの院外研修が可能になっただけでなく、2022年8月よりUTMBからさまざまな診療科(Internal Medicine, Family Medicine, Pediatrics, General  Surgery, OBGYNなど)から医師(Attending, Fellow, Chief Residentなど)が1~数カ月単位で当院をローテーションし、教育活動に従事してくださることになりました。教育回診やカンファレンスでの症例ディスカッションも開催されるほか、国際学会発表の準備、米国Residency/Fellowshipの準備など、さまざまなサポートをしてくださる予定です。

(写真提供:UTMB Vascular Surgery Residency 塚越隼爾先生)

◆University of Hawaii (JS Program)

2022年4月よりハワイ大学外科教授の町淳二先生が創立された一般社団法人JrSr(ジュニアシニア)との提携を開始し、JSプログラムの対象病院となりました。JS Program はUSMEL取得および海外臨床研修やフェローシップを目指す若手医師向けの研修プログラムです。ハワイ大学関連病院への臨床見学を実施しており、JSレジデントとして当院に勤務をするとUniversity of HawaiiへのExternshipに参加することが可能です。現在は、総合内科と提携を結んでいますが、今後、提携診療科が増えていく予定です。

このように、米国大学病院との交流の機会にも恵まれる点は、当院ならではと思います。

もしご興味を持った方は、気軽に見学に来ていただければと思います。

2022年度 第1回 医学生のためのオンラインセミナー開催のご案内

医学生のみなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。

昨年開催し、大変好評をいただきましたオンラインセミナーを今年も開催いたします。今回の第1部では、日本感染症学会感染症専門医である当院菊池医師によるレクチャー、第2部では学年ごとにブレイクアウトルームに分かれていただく、現役研修医とのトークセッションを予定してます。

感染症診療に興味のある方、またマッチングを前にリアルな研修医の声を聞いてみたいという方、ぜひご参加をいただければ幸いです。

2022年度 第1回 医学生のためのオンラインセミナー

◆日 時:2022年7月8日(金)18:30〜20:00 on zoom

◆対 象:医学部5年生、6年生

◆申し込み締切:7月6日(水)

◆定 員:80名(定員となり次第、締め切らせていただきます)

 

お申し込みは こちら から

問い合わせ先:tkh-junior-resi@keijinkai.or.jp

北海道合同プレゼンテーション参加報告とご参加のお礼

医学生のみなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。

本日は、ブログでもご案内していた道内臨床研修病院のオンラインによる合同説明会が開催されました。道内外からたくさんの医学生の方にブースを訪れていただきまして、大変ありがとうございました。


当院に興味を持っていただけた方は、ぜひ見学にお越しいただければ幸いです。臨床研修部一同、心よりお待ちしています。

見学のお申し込みは こちら から

北海道合同プレゼンテーションでの当院ブースのご案内(M12)

医学生のみなさま、こんにちは。

今週29日()に開催される、北海道内の臨床研修病院が集まった合同イベント(通称:道プレ)まで、あとわずかとなりました。訪れてくださった医学生の方に、少しでも当院の魅力を知っていただけるよう、参加スタッフ一同鋭意準備中です。

先日リハーサルが行われましたが、広い会場で1・2Fと分かれており、はじめてのoVice(バーチャル会場)の操作に、ブースを探すのも一苦労の様子が。当院のブースは、1Fよりエレベーターで上がっていただき、2Fの「M12」となっていますので、ぜひお気軽にお越しください。

当日は、PGY2研修医2名、専攻医1名(当院卒業生)、指導医(総合内科)の4名と事務局で、みなさまをお待ちしています。

お申し込みは こちら から

 

家庭医療外来研修の魅力

みなさま、こんにちは。研修医2年目(PGY2)の奥山由梨佳と申します。今回は、手稲渓仁会病院との連携施設である「手稲家庭医療クリニック」での外来研修についてご紹介します。

手稲家庭医療クリニック(通称・かりんぱ、アイヌ語で桜のこと)は、春になるとこんなにも美しい風景が広がる軽川(がるがわ)のすぐそばの診療所です。


写真① 軽川の風景

そもそも家庭医療とは、「病気を抱える人を、その臓器だけでなく、その人全体や家族背景まで巻き込んでみる」医療です。言わば、臓器ではなく「人間そのもの」を専門とする医療です。そのため、かりんぱでは0歳児から高齢者まで「よくある疾患」を幅広く診ます。

かりんぱは、全国でも屈指の家庭医療の教育施設のひとつです。外来研修では、研修医は輪番外来担当として、予約のない患者さんの診察を担当します。私がローテした4月期は、コロナの流行真っ只中。そのため、圧倒的大多数の主訴が咽頭痛、診断はCOVID-19が大半を占めていました。しかし、その中に5 killer sore throatが紛れ込んでいることがあるので、注意が必要でした。

また、かりんぱでは高血圧症の方の初診から関わることができます。まずはじめに取るべき問診、身体診察、そして検査を経て、その人に何の治療が適切かを判断します。そして、降圧薬の開始やコントロールも経験します。

このように、よくある疾患について経験を重ねることができるのはもちろんのこと、ベテラン指導医から直接フィードバックを受けることができるのが、かりんぱローテの最たる魅力です。マネジメントのコツや、患者さんのご家族や社会背景にまで注目したアセスメントを学ぶ機会は貴重です。そして、業務終了後には外来担当医が集い、その日の症例の振り返りを行います。


写真② 外来での振り返り風景

教育を重視した外来研修ができる、それがかりんぱローテです。学生さんでも見学できるので、かりんぱの教育に少しでも興味がある方は、ぜひ見学にお越しください!

PGY2 奥山由梨佳

「北海道の臨床研修病院合同プレゼンテーション 2022 オンライン」に当院が参加します!

医学生の皆さま、こんにちは。臨床研修部事務局です。毎年恒例の「北海道の臨床研修病院合同プレゼンテーション」は、今年もオンラインでの開催となりました。当院からも研修医、専攻医、指導医が参加します。開場時間内は出入り自由、参加費は無料です。興味のある医学生の方は、ぜひお気軽にご参加いただければ幸いです。

(1)日 2022 年5 29 日(日)10:0015:00
(2)会 オンライン(oViceを利用したバーチャルオンライン説明会

(3) 参加申込み
応募フォーム こちら からお申し込みください。
26 日(12 時まで
お申し込み受付は先着順のため、定員になり次第締りとなります。

2021年度臨床研修修了式

こんにちは。研修医2年目の外山です。新しく入ってきた1年目の先生方への指導や学会発表の準備などで忙しく、少し遅いタイミングとなってしまいましたが、昨年度の臨床研修修了式について振り返ってみたいと思います。

例年3月に札幌市内のホテルで開催されていた修了式は、新型コロナウイルス流行の煽りを受け、今回も院内での開催となりました。

はじめに、前院長の成田先生よりお言葉をいただき、その後修了証書授与式が行われました。卒業生を代表して受けとられたのは、病歴要約55症例を一番の速さで完了された伊藤先生。

続いて、指導医より卒業生一人ひとりにエピソードを交えたあたたかい紹介と、卒業生のスピーチがありました。

その後は表彰式が行われ、2年目から選ばれる「Best Teaching Resident」としては近藤先生・篠原先生、1年目から選ばれる「Outstanding Intern」には波多野先生が選ばれました。

笑いあり感動ありの式が終わり、みんなで記念撮影を行いました。

今年度、専攻医やPGY3(当院独自のプログラム)として当院に残ってくださる先生は多いのですが、道外に行かれる先生もいらっしゃるため、終わったあとはどこか物悲しい雰囲気が漂っていました。

修了式も終わり、現在初期研修2年目となった私たちですが、気持ちや探求心の上では1年目の時と変わらないものの、やはり前年度よりコメディカルや上級医から頼りにされることが多くなったと感じています。まだまだ学ぶことが多く、1年目には間違ったことは教えられないというプレッシャーを感じる日々ですが、手稲渓仁会の教育的な環境を途絶えさせないよう、先輩方から教わったことに自分で調べた知識も加えて指導を行っていこうと思います。

「最優秀若手奨励賞」「指導医賞」の受賞報告

みなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。今年は例年の2倍近い降雪量でしたが、ようやく雪解けの季節となりました。まだまだコートが離せない日が続く北海道札幌から、hotな話題をお届けします。

2021年11月に開催された第293回日本内科学会 北海道地方会で、PGY2篠原陸斗先生が、「初期研修医の部」において、最優秀若手奨励賞を受賞しました!
タイトルは、「耐性獲得により致命的な経過をたどったマルトフィリア肺炎,菌血症の1例」。同時に、指導に当たった臨床研修部長の総合内科 星哲哉先生も、指導医賞として表彰されました!

今回、ようやくお二人揃っての写真撮影が叶いましたので、ご報告させていただきます。

小児科専門研修プログラムWeb説明会のご案内

みなさま、こんにちは。当院では、小児科専門研修プログラム 2023年度専攻医募集開始にともない、第1回のWeb説明会を開催いたします。当院は、一般外来から集中治療まで小児の急性期診療を極めることができる、北海道で唯一無二の研修病院です。興味のある方のご参加をお待ちしています。

 日時:2022年3月11日(金)19:00〜
 開催形式:Zoomを用いてWEB上で開催
 対象:初期研修医・医学生
 申し込み締め切り:3月4日(金)
 参加を希望される方は こちら よりお申し込みください。

担当:小児科 和田

JMECC(内科救急・ICLS講習会)を受講しました。

みなさん、こんにちは。PGY2の松本です。今回は、2021年11月21日にJMECCを受講いたしましたのでご紹介いたします。

JMECCとは、Japanese Medical Emergency Course(日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会)のことです。これは、内科医が心肺停止時のみならず緊急処置を要する急病患者に対応できるように、日本救急医学会のICLSと日本内科学会独自の内科救急プログラムを合わせた講習会です。内科専門研修プログラムの基幹施設で実施される救急講習会でもあることから、今回は札幌医科大学よりJMECCディレクターとインストラクターの先生方をお招きして、下記のプログラムで行われました。

ご覧のとおり、朝から夕方まで実技を中心とした講習をみっちりと受けてきました。午前中はBLSの復習からはじまり、救急対応に必要な基本的なスキル(気道確保や心電図診断、除細動器の使用)の確認を行います。

そして、そ,れらのスキルを基本として心筋梗塞や敗血症性ショックなどの複数のシナリオを用い、心停止時や急変時の対応を学んでいきます。

講習会の最後には筆記試験が行われ、一定の点数を上回れば合格となり、合格証書が授与されます。

JMECCのシナリオでは、急病患者に対応する際、リーダー役の人が周囲のスタッフに細かく指示を出し、それに基づいて周りの人たちが行動するというパターンを繰り返します。逆に言うと、的確な指示がなければ周りの人たちは自発的には動いてくれません。すべての指示を出すことの難しさを痛感するとともに、当院での日常診療においては多くの人たちに支えられながら医療を提供しているということを改めて実感し、「チーム医療」の重要性を再認識することができました。

私は来年度から循環器内科医を目指し、当院の内科専門研修プログラムで後期研修を行う予定です。そのため急病患者に対応する機会は多く、まだまだ学ばなければならないことはたくさんあります。その中で今回このような内科救急を学ぶ機会をいただき、大変感謝しております。

ICLSやACLSなど、医学生でも受講可能なプログラムが複数あります。自分自身を振り返ると、研修医になる前に受講していれば(特に救急科ローテーション中に)、もっとスムーズな診療ができたのではないかと多少後悔しております。コロナ禍で規制が厳しくなっておりますが、みなさん機会があれば受講してみてはいかがでしょうか。

PGY2 松本