研修

倶知安での地域医療研修

はじめまして。PGY2チーフレジデントの西脇と申します。

今回は、4月に行った俱知安厚生病院総合診療科での地域医療の研修を紹介させていただきます。
倶知安厚生病院は、ウィンタースポーツで有名なニセコをはじめとした南後志(みなみしりべし) 地域の基幹病院です。15の診療科と199床の病床があり、総合診療科は医師数が最も多く10名ほどいらっしゃいました。

冬になると外国人観光客の患者さんが大勢訪れ、救急科、整形外科は全て外国人で埋め尽くされ、病院もパンク寸前になるそうです。逆にスキー場が閉まるとかなり診療にも余裕ができ、地元の患者さんのみになるとのことでした。私の研修も4月だったので外国人の患者さんが少し残っていて、英語を話せると重宝されました。

俱知安厚生病院の総合診療科は救急対応も必要で、CPAの患者さんも診ていました。ICUでの挿管や昇圧が必要な重症患者さんは、基本的に近隣の病院に搬送します。最も近い総合病院が小樽市立病院ですが、救急車で40分ほどかかります。
冬になると路面状況も悪くなるため、救急車内でバイタルを維持しながら1、2時間ほどかけて搬送することもあるそうで、北海道の医療の大変さを実感しました。
そして山道なので私は車酔いでとても辛かったです….。

一般外来の初診を対応していたのですが、総合診療科の先生方は非常に教育的で雰囲気がよく、とても相談しやすかったです。基本的に検査のオーダー、帰宅可能かどうかは指導医に相談していました。
また、勉強会も頻繁に開催されていて最新の医学を反映した治療を行なっていました。
俱知安にきて、最初に感動したのは羊蹄山です。

雪の積もった羊蹄山は本当に綺麗で、つい毎日写真を撮ってしまいました。
ニセコエリアはおしゃれな田舎で、北海道の田舎の広々とした美しい自然もありつつ、観光地なのでおしゃれな店も多いです。そして温泉もたくさんあります。
オフの日はニセコまで滑りに行ったり、おしゃれなカフェや温泉に行ったりして、大満喫の俱知安研修になりました!

   

手稲家庭医療クリニック(通称「かりんぱ」)のローテーション

医学生の皆さん、こんにちは。PGY2 チーフレジデントの樋口です。

本日は学生の方も気になっているであろう、手稲家庭医療クリニック、通称「かりんぱ」のローテーションに関してお話ししたいと思います。「かりんぱ」は、渓仁会本院から徒歩10分の場所にある、渓仁会を母体とするクリニックです。ちなみに「かりんぱ」はアイヌ語で「桜」を意味する言葉です。春になると美しい桜の風景が広がる軽川の近くに位置しています。

基本家庭医療科の医師が所属していますが、クリニックは内科、小児科、産婦人科を標榜しており、成人の内科的な診察だけでなく、1歳未満を含む軽症の小児の診察や、経膣エコー等を用いた婦人科診察をおこなうこともできます。

また、「はまなす」という訪問看護ステーションも併設しており、訪問診療もおこなっています。

かりんぱローテーションは、外来研修の一環として選択が可能です。同じ渓仁会グループの施設ですが、common diseaseにたくさん触れられたり、訪問診療を体験できたりと、渓仁会本院での研修とは違った学びを得られます。

・1日の流れ(2024年5月現在)
8:40-8:45:朝礼
ここで連絡事項が共有されます。初日や最終日は簡単な挨拶をします。
8:45-11:30:午前の診察
研修医は輪番(定期外来ではない外来)を担当します。輪番は発熱とそれ以外に分かれており、どちらもcommon diseaseをたくさん診ることができます。患者の受付は11:30で終了ですが、診察は続くことが多いです。
午前の診療終了-13:30:昼休憩
この間に昼食をとります。
13:30-16:00:午後の診察
午前と同じ要領でおこないます。
17:30ごろ:1日の振り返り
その日の指導医と振り返りたい症例や疑問などを共有し、他の医師とディスカッションします。木曜日のみ午後休診で、午後に多職種で勉強会をおこないます。時々訪問診療について行くこともあります。(希望すれば複数回同行できるかも?)

・多職種勉強会
前述の通り、毎週木曜日の午後は休診なので多職種で勉強会をします。毎週違ったテーマを扱います。私がローテーションした際は、インスリンやGLP-1受容体作動薬の自己注射を、実際に練習キットを使用してやり方を学んだ会がありました。意外と薬剤によって器械の形状や、使用方法が違うことを初めて知りました。自己注射のやり方を知っておくことで、訪問診療の際にお手伝いができたり、薬剤選択の際により患者個々人に合った選択が可能になると思いました。

他にも、当院で初期研修をされたアメリカ留学中の家庭医療科の先生が一時帰国されていたので、お話を伺う会もありました。アメリカと日本の家庭医療の違いなどを知ることができました。
また、訪問診療患者の治療方針についてディスカッションをおこなうこともありました。

・かりんぱの魅力
かりんぱに関してざっと説明をさせていただきましたが、ここからは私個人が感じたかりんぱの魅力について説明します。
①多くのcommon diseaseを経験できる
渓仁会本院でもNF(ナイトフロート)といった必修の救急外来研修はありますが、かりんぱでは更に多くの症例数を経験することができ、さらにそのほとんどはcommon diseaseです。感冒や生活習慣病等を外来でたくさん経験でき、大変勉強になります。感冒や生活習慣病等を外来でたくさん経験でき、大変勉強になります。
common diseaseを外来でフォローしながら治療していく、例えば健康診断で高血圧を指摘された患者が来院し、緊急の降圧対象でなければ生活指導をし、血圧手帳をお渡しし日々の家庭血圧を測定してもらい、後日フォローして治療方針を決めていく、こういった本院で経験することが難しい流れを経験できるのは、家庭医療クリニックであるかりんぱならではの魅力と言えます。

②教育体制が整っている
かりんぱでは多くの症例数を保ちながら、さらに教育の質も担保されています。毎日上級医の中から指導医が決められており、研修医は患者を帰宅させる前に、原則全例指導医に相談する必要があります。ここでショートプレゼンの練習ができ、また問診や診察のフィードバックをしていただけたり、方針のディスカッションをすることが可能となります。自信がない主訴だった場合、診察前に診察の流れを打ち合わせすることも可能です。私自身も相談することで不足していた部分に気づくことが多々ありましたし、すぐに相談可能なのは非常に安心感がありました。
また前述した通り、1日の終わりに指導医と外来を担当した医師達で振り返りをおこないます。ここで些細な疑問が解消できたり、他の医師が診た症例からも学ぶことができ、大変勉強になります。

③職員さんが皆とても優しい
私自身、外来診療にあまり慣れていなかったため最初はわからないことが多かったのですが、コメディカルやクラークの方々が非常に優しく、わからないことはなんでも教えていただけて、診療の手助けをして下さったのでスムーズに診療をおこなうことができました。
本院とは違う職員さんなので初めての方がほとんどですが、職員さんが優しく仕事がしやすいのも、かりんぱの魅力の一つだと思います。

・最後に
以上、手稲家庭医療クリニック「かりんぱ」での研修を紹介させていただきました。
もちろんかりんぱの見学も可能なので、興味があればぜひ一度当院へ見学にお越しください。
ぜひ当院で研修をして、学びの多いかりんぱでの外来研修を選択してみてください!

※執筆時点(2024.5現在)の情報です
SNSチーム

UTMB研修 〜後編〜

こんにちは!
手稲渓仁会病院PGY2の川口です!
当院では2年生時のローテーション1ヶ月で、アメリカはThe University of Texas Medical Branch at Galveston (以下UTMB)に行くことができます!
今回は、先陣を切って4月にアメリカ研修に行かれた、PGY2岩本先生、桐生先生のインタビュー【後編】をお届けします。

川口 : 日本との違いは感じましたか??あれば具体的に聞きたいです!

岩本 : 患者リストには、各患者さんが入ってる保険の名称も記載されていて、治療方針を立てる際にその保険がカバーされてるかを都度確認していました。

桐生 : アメリカでは、さまざまな人種・民族の患者さんが異なる宗教や価値観のバックグラウンドを持っていて、同じ疾患でも皮膚の色調によって皮膚所見が異なって見えたり、治療法について宗教的な配慮が必要だったり、日本ではなかなか出会わないような症例に触れることができました。例えば、イスラム教の患者さんにステロイド注射をするという話になった際、「ラマダーン(断食)中であり、日が出ている間に栄養のあるものを摂取してはいけないことになっているが、ステロイド注射には栄養となる成分は入っていないのか」という質問をされて上級医と一緒に調べるという、非常に興味深い経験ができたのもそのひとつです。

川口 : 初めてのアメリカ生活だったと思います、、、何か大変なことはありましたか??

岩本: やはり圧倒的に英語がわからなかったですね。仕事で使う英語は段違いに難しく、笑い話ですが、現地のレジデントに患者さんの家族を待合室まで呼びに行くように言われて、連れてきた人が全然関係のない人だったことがありました(笑)。 ただ向こうに行って、非ネイティブ話者でも英語を話せれる人だらけの環境の中で時間をかければ、誰でも外国語はマスターできると思いました。僕も今から頑張っていきます!

桐生 : アメリカではどこに行くにも距離が遠く、公共交通機関も日本ほど便利ではないので、移動が大変でした。滞在中はUTMBの近くのアパートを借りて生活していたので通勤に際してほとんど支障はありませんでしたが、関連のクリニックに行く際や週末観光に行く際などは、送ってくれる友達を探すかUber/Lyftを利用していました。もう一つ大変だったのが食生活です。元々ハンバーガーやピザなどの所謂アメリカンフードは好きな方ですが、1ヶ月も暮らしていると生魚やお浸しなど日本食が恋しくなりました。現地の鮮魚市場でサーモンを買って塩焼きにし、現地で手に入れたカリフォルニア産の白米と日本から持参したインスタント味噌汁と一緒に食べた時は、二人とも望郷の念が込み上げていました。

川口 : 楽しかったことは何ですか?

岩本 : 自分がminorityながら、現地で新たな友達を作ることができて、それはすごく嬉しく、楽しかったことです。引き続き良好な関係を保てられるように努力していきたいです!

桐生 : さまざまな場面で現地の先生方もこのTKHとのパートナーシップを大事にしてくれているのを感じ、お互いにもっとこの繋がりを強くしていきたいといった熱い話をしている時間が楽しかったです。まだ我々は医師として駆け出しであり、世界に与えられるインパクトは小さなものかもしれませんが、それでもいつかそれぞれが各々の道で世界中で活躍するようになった時に、TKH-UTMB familyとして手を取り合い、世界をより良いものに変えていけるような、そんな素敵なパートナーシップになっていくことを願っています。


左から岩本、Dr.Farr、桐生

川口:今回のインタビューは以上です!お二人もと素敵な経験をアメリカでされてきたのですね!!:ワクワクハート:これからも研修医たちのUTMB研修のブログを載せていこうと思っているので、皆様ぜひ楽しみにしていて下さい!!では!! 

UTMB研修 〜前編〜

こんにちは!
手稲渓仁会病院PGY2の川口です!
当院では、私たちの期の研修プログラムより、PGY2のローテーションで1ヶ月アメリカのThe University of Texas Medical Branch at Galveston (以下UTMB)に行くことができるようになりました!

今回は、先陣を切って4月にアメリカ研修に行った同期の岩本先生、桐生先生のインタビューです!!

川口 : まずは1ヶ月間UTMB研修お疲れさまです!!最初にUTMBへ行くという緊張もあったと思いますが、実際に研修を終えていかがでしたか??

岩本 :  元々当院には毎月UTMBのレジデントが交代で来訪しています。その際たくさんのレクチャーを受けたり一緒にラウンドを行ったり。また勤務後は観光をしたりご飯を食べたりしていました。何よりも彼らと再会できたことが嬉しかったです!

桐生 : TKHとしての初めての海外派遣ということで、今後の交換研修プログラムの持続や発展に繋がる重要な役割を担うことができて大変嬉しく思います。最初ということもあって分からないことだらけでしたが、一緒に行った岩本くんや日本に以前来てくれた現地の先生たちに助けてもらいながら、良いスタートを切ることができたのではないかなと思います。

川口 : 何科を選択しましたか??1日の流れはどのような感じでしたか??

岩本 : 僕は内科と家庭医療科をローテーションしました。内科の業務は大きくは日本とは変わりませんが、やはりアメリカは生活習慣病が日本よりも深刻であるので患者層は日本よりも30歳くらい若い印象を持ちました。また、医療費を払えない人向きのフリークリニックの診察にも同行させてもらい、アメリカの問題点もたくさん見させてもらいました。アメリカには日本にはない問題がたくさんあるのは事実ですが、その問題をみんなで解決しようとするpositiveな動きがあるのも事実です!

桐生 :僕は1ヶ月間、将来の志望科である皮膚科で研修しました。アメリカでは皮膚科は最も人気のある科の一つであり、激しい競争を勝ち抜いた同世代の同じ診療科に進むドクターたちと友達になれたのは非常に良い刺激になりました。
皮膚科は内科などと比べるとスケジュールにゆとりがあり、朝は8時のレクチャーから始まります。UTMBの皮膚科は病棟がなく、業務内容としては主に外来、他科コンサル、小手術があります。Observershipでの研修のためどこまで参加させてもらえるか全くの未知でしたが、期待以上に多くのことを経験でき、多くのことを学ぶことができました。
また、現地の内科レジデントに向けて岩本くんと僕とでモーニングレポートをする機会を頂き、learningだけでなくteachingまで経験できたのは収穫が大きかったです。

〜次回後編に続く〜

UTMBレジデントの滞在

UTMB(テキサス大学)のレジデント、Nishanが約1ヶ月当院に滞在してくださいました。毎日のヌーンレクチャーでは糖尿病の血糖管理や高血圧についてなど、さまざまなテーマで研修医のリクエストに合わせた講義をいただき、大変勉強になりました!
北海道の滞在、楽しんでいただけていたら幸いです。
ありがとうございました!!

Nishan, a PGY3 at UTMB, is leaving Hokkaido after his 1-month stay at TKH.
Every afternoon, he gave us lectures on any topic we requested, such as DM and hypertension, and we learned a lot from him.
Nishan, thank you for coming all the way from Texas. We hope you had a great time with us.
SEE YOU AGAIN!!

TKHモーニングレポート

こんにちは!研修医2年目の照沼と申します。

2年目の研修医には、本ブログを担当するSNS係をはじめいろいろな係があり、それぞれが重要な役割を担っています。私は3人いるモーニングレポート係のうちの子分②ですが、代表して当院初期研修の特徴の一つである「モーニングレポート」(以下モーレポ)についてご紹介します!

○モーレポとは?

モーレポとは、ほぼ毎朝行われる1時間の研修医の教育のための時間です。内容は多様であり、当院指導医によるレクチャーの日もあれば、研修医による症例発表(日本語も英語も!)、エコーなどのハンズオンセッションなど、さまざまな形式で朝の学びの時間が確保されています。不定期で当院初期研修の卒業生による講演も行われ、海外で活躍されている先生や研究などアカデミアに専念されている先生の話も聞くことができ、キャリア形成の参考にもなります。

開催時間は7:30-8:30と早いですが、意欲的な研修医仲間とともに、学びの多い時間となっております!

○日本語モーレポの内容は?

救急対応、よく診る疾患の診断や初期治療、よく使われる薬について、感染症診療の基本、小児科の診察方法など、初期研修医としてマスターしたい基礎的な内容が中心となっております。レクチャーを担当してくださる指導医の先生方は皆とても教育熱心であり、モーレポは日々の臨床で浮かぶ疑問を解消する場としても重要と感じます。

また、レクチャーを受けるだけではなく、研修医が積極的に発表する機会も多くあります。症例を提示してディスカッションを行う症例検討会や、ローテートした科で勉強したことを共有する研修医発表などを通して、発表する研修医にとっても発表を聞く研修医にとってもアクティブに学ぶ機会となっています。

○英語モーレポとは?

当院の英語教育の一環としてモーレポは大きな役割を果たしています。英語モーレポは毎月のモーレポの半分弱を占めており、米国人医師によるレクチャーと当院研修医による症例発表が主な形式です。米国人医師はどなたもとても優しく、教育熱心であり、内科的な考え方をわかりやすく説明してくださいます。当院と提携しているテキサス大学 (UTMB) からは週1回レクチャーがあり、日本でもよく臨床の場面で遭遇する急性疾患の管理から、宇宙医学などの珍しい分野について話を聞くことができます。また、米国人神経内科医師により、月に1回神経内科のレクチャーをお願いしており、神経診察や神経学的異常の解釈について教えていただいています。

○英語に自信がないけど、ついていけるかな?

見学生でこれについて悩まれる方は多いです。実際のところ研修医の英語レベルはさまざまなので一人ひとりに合わせるのは難しいですが、継続的に英語に曝露されることで段々慣れて上達することを、私は同期を見てきて実感しました。米国人医師も研修医全員がネイティブでないことも理解しており、なるべくゆっくり、わかりやすく話すように配慮してくださいます。初めは全部聞き取れなくても、モーレポ内で発言して質問したり、モーレポ後に同期に確認したり、聞ける人にどんどん質問していくことで自信がつくと思います。

○モーレポのテーマは誰が決めるの?

モーレポの予定を組むのはモーレポ係ですが、随時研修医からレクチャー内容を募集しております。そのため、モーレポは研修医全員で作り上げるものと言っても過言ではありません!

○最後に

このブログを通して、モーレポの魅力は伝わりましたでしょうか?言葉だけではなかなかイメージが湧かないと思いますので、少しでも興味あればぜひ見学に来て、実際に雰囲気を味わってください!お待ちしてます!!

総合内科研修

医学生のみなさま、こんにちは。総合内科 医長の中村と申します。

今回は、当院の総合内科の診療内容や研修の特徴について紹介させていただきます。

・診療内容

総合内科は、将来進む専門分野を問わず、内科領域全般にわたる知識と技能を持った医師を育成する科として2001年に新設されました。現在、総合内科には、内科学をベースとして家庭医療やリウマチ・膠原病、循環器内科、血液内科、老年科など様々なバックグラウンドを持つ医師が在籍し、感染症やリウマチ・膠原病、内分泌疾患など幅広い疾患の診療を行っています。

感染症診療については、一般的な感染症のみならず、感染症科と密に連携して多臓器にまたがる感染症や膿瘍などの複雑なマネジメントを要する感染性疾患も診療しています。また、当院は高次機能病院であるため、非典型的な感染性心内膜炎やライム病、梅毒など稀な感染症もしばしば診療する機会に恵まれています。当院は道内ではいち早くマルチプレックスPCR(FilmArray)による核酸同定検査を導入し、感染症の早期診断や原因菌同定に大きな成果を挙げています。

リウマチ・膠原病診療については、当科にはリウマチ学会の指導医1名、専門医2名が在籍しており、専門性の高い医療を提供しています。関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎といった関節疾患については、関節エコーを積極的に活用し、生物学的製剤や分子標的治療薬を用いた治療を行っています。SLEや皮膚筋炎、血管炎などの膠原病については、常に最新の知見を取り入れ、最善の医療を提供できるよう努めています。

その他、糖尿病や甲状腺疾患といった内分泌・代謝疾患や電解質異常など、当院の各専門診療科では対応できない疾患の診療も当科が担っています。

一方、超高齢社会を迎えた我が国では、高齢者医療のニーズが高まっています。高齢の患者さんは複数の疾患を併せ持ち、Multimorbidityとも言われるようにその病態やマネジメントはしばしば大変複雑なものになります。当科では高齢の患者さんも多いため、医学的・社会的複雑性に配慮してバランスの取れた診療を行うよう心がけています。

・研修の特徴

1.英語でのグローバルな臨床教育

当科では、業務提携を結んでいる米国テキサス大学より指導医を招聘し、日々のカンファレンスを英語で行っています。カンファレンスでは研修医・専攻医が英語でcase presentationを行い、その内容をもとにディスカッションを行うことで、双方向性の英語臨床教育を実現しています。また、米国流の臨床的アプローチやコミュニケーション、指導方式に触れることで、臨床医としての視野が広がり若手医師の成長に繋がっています。

米国人医師との病棟回診の様子

2.万全の指導体制

上述のように当科にはさまざまなバックグラウンドをもった医師が在籍しており、幅広い疾患に対応可能です。研修医―専攻医―指導医の屋根瓦体制を基本とし、常に指導医が病棟業務に従事する体制を構築していますので、いつでも上級医に相談できる体制が整っています。きめ細かい指導のもと、安心して病棟診療にあたる事ができます。

3.学術活動

当科には学術的にも貴重な症例が多く、近年は若手医師の学会発表・論文執筆の支援にも力を入れています。昨年は10演題、今年はこれまでに9演題の学会発表を行いました。海外学会にチャレンジする若手医師も多く、2022年はスペインで開催されたEuropean Congress of Internal Medicineに、2023年はアメリカで開催されたSociety of General Internal Medicine Annual Meetingに参加し症例報告を行いました。

このように、総合内科では幅広い疾患を診療しつつ、感染症やリウマチ・膠原病領域に関しては専門性の高い医療を提供しています。他に類を見ない英語での臨床教育を実現し、国内では唯一無二の総合内科といえます。いつの日か、皆様と一緒に働けることを楽しみにしております。

総合内科 中村海人

こんまり先生インタビュー

みなさま、こんにちは!今回はわれわれ初期研修医をサポートして下さっている先生を紹介したいと思います。

ーーこんまり先生、本日はよろしくお願いします。

こんまり よろしくお願いします。

ーーまずは自己紹介をお願いします。

こんまり こんにちは。島津真理子改めこんまりです。現在は手稲渓仁会病院でさまざまな業務に関わっています。

ーー具体的にはどんなことをされているのですか?

こんまり テキサス大学との連携業務、もう少し具体的に言うと、テキサスから来られる先生の来日目標に合わせた滞在スケジュールを調整したり、研修医と交流しやすい環境作りをしたりしています。

ーー昨年から毎月テキサス大学の先生が1ヶ月ずついらっしゃっていますね。私も英語での症例プレゼンなどでお世話になりました。あと、札幌市内のレストランで食事をしたり、英語でお話しする機会を多く持てました。

こんまり 他には研修医の国際学会での発表をお手伝いしています。演題提出から学会発表までの流れを切れ目なくサポートします。今年5月には3名が米国内科学会(SGIM)で発表しました!あとは建設的な振り返りや、EBMの活用など、実臨床で使えるけど特定の科に依らない技術をモーニングレポートなどで指導しています。

ーーアメリカの学会で発表できるのはとても貴重な経験ですよね。ディスカッションは大変ですが、一度経験すると大きな自信になるでしょうね。

こんまり そのほか、英語に限らず、初期研修医の相談には何でも乗っています!

ーーそういえば、この前は、見学に来てくれた学生さんとお話しされていましたね。どんな話をされていたんですか?

こんまり 働き始めると学生の時とは考え方や物の見方が変わってきますよね。自分の経験も踏まえて学生さんの助けになるような話をできたらいいなと思っています。

ーーこんまり先生は英語をよく話されていますけど、海外に長く滞在されていたんですか?

こんまり 生まれは東京ですが、6歳の時に父の仕事の都合でニューヨークに引っ越しました。その後、タイにもしばらく住んでいたことがあって。大学は慶応義塾大学の医学部に進学しました。初期研修は手稲渓仁会病院で修了して、後期研修は手稲家庭医療クリニックで開始しました。その後、体調を崩した事もあって2年近く休職した後に、今の仕事に復職しました。

ーーそうだったんですね。僕らは2022年の4月に手稲渓仁会病院に入ったので元気なこんまり先生しか知らないですが、そんなことがあったんですね。いろいろな経験をされてきたこんまり先生から学生の方々に伝えたいことはどんなことですか?

こんまり 学生は、24時間365日常に学生ですが、働き始めるとよほどでない限り「職業人である自分」と「そうでない自分」のオンオフが発生します。医師であり給与が発生する時と、そうでない時の両方を大事にできる土壌を学生のうちから築いていくことをお勧めします。

ーーはい。

こんまり 具体的には、「医師にならなかったとしても大事にしたいこと」を見つけてください。時にはそれを軸にして道を決めることもあるかもしれません。詳しくは見学に来た際に直接聞いてくださいね。

ーー手稲渓仁会病院での初期研修についても教えてください。

こんまり 特徴を挙げるとすると、看護師さんやリハビリスタッフ、ソーシャルワーカーさんなどあらゆる職種の方が研修医に慣れています。研修医のできること、できないことを把握されていて、チームの一員として気持ちよく働くことができます。

ーー確かにみなさん優しいですよね。病棟で困っているといつも助けてくれる。

こんまり あとは立地ですが、病院がJRの駅とスーパーと役所に近いです。札幌に来て7年間、車なしで過ごしています。

ーー札幌や新千歳空港へのアクセスはとても良いですよね。病院から駅まで徒歩5分以内。

こんまり それと、医師、特に研修医はいろんなバックグラウンドの人がいて、多少海外で育ったとか、医学部に入る前に特殊な仕事をしていたくらいでは目立ちません。社会人としての振る舞いさえ適切であれば、日頃の同調圧力も殆どなく過ごしやすいです。

ーー僕も以前は営業の仕事をしていて、再受験で医学部に入りましたが、そういう経歴はここでは全然気にされない。研修以外に余計な気遣いが不要なのでとても居心地はいいです。

ーーこんまり先生、本日はありがとうございました。

こんまり ありがとうございました。

当直室

こんにちは。PGY1の太田です。

今回は研修医の当直室を紹介したいと思います。

現在、手稲渓仁会病院の初期研修では定期的な当直業務はありません。その代わり夜間の診療経験を補う一環として、当直のある診療科をローテーションしている際に、希望すればその科の指導医と一緒に当直に入ることができます。

当直室は全体で4箇所あるのですが、初期研修医専用の当直室は研修医室の隣にあります。当直室はそれぞれ男性用と女性用があり、男性用は3つ、女性用は2つのベッドが設置されています。

写真は男性用の当直室です。

当直室という名前ではありますが、初期研修医室の隣にあるのでちょっとした仮眠をとるのに使わせてもらったりもしています。エアコンも完備されていて、とても居心地が良いです。

見学にお越しの際は、当直室もご覧になっていってください。

それではまた。

メディカルトレーニングセンターでの外科研修

みなさま、こんにちは。

手稲渓仁会病院は、病院からJR線で10分ほどの場所にあるメディカルトレーニングセンターと契約しており、外科ローテーション中、週1回その施設を利用することができます。今回は、そこでの外科手技研修についてご紹介したいと思います。

トレーニングセンターには、縫合練習、内視鏡手術、ダヴィンチ手術(!)の練習機材も豊富に揃っています。

縫合は、自身専用の縫合練習キットをもらって練習することができます。写真は、研修医2年目の先生から1年目研修医が縫合のやり方を教わっている様子です。

内視鏡手術の練習も自由に行えます。

実は、この内視鏡シミュレーターである条件をクリアすると、「ご褒美」がもらえます(!!!) 携帯用の内視鏡シミュレーターを借りて、研修医室や自宅で練習することも出来るそうです。びっくりですね。

手稲渓仁会病院は、北海道でもトップクラスの外科症例数を誇る病院です。少しでも外科に興味があって、他の科と迷っている方は、ここで手術症例をたくさん経験してみると、その後の進路選択に大いに参考になると思います。

外科志望の方はぜひ一度見学に来て下さい!

お待ちしております!