北海道の臨床研修病院合同プレゼンテーション オンラインのご案内

みなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。今年最後に、来年1月28日(日)に北海道庁主催で開催されるオンラインイベントのご案内です。

  • 日時:令和6年(2024年)1月28日(日)10:00~15:00
  • 会場:オンライン(「oVice」を利用したバーチャルオンライン説明会)
  • 当日プログラム(予定):参加臨床研修病院、関係学会による個別説明、医学生のための臨床研修制度説明会
  • 当院参加:初期研修医、指導医が丁寧にご説明させていただきます
  • 参加申込み方法:応募フォームは こちら から
  • 申込み締め切り:1月25日(木)12時まで ※お申し込み受付は先着順、定員になり次第締め切りとなります。
  • 道プレの詳細は こちら から

 

これからの見学先を考えている医学生の方など、ぜひこの機会をご活用いただければ幸いです。来場を心よりお待ちしています。

最後になりますが、今年も臨床研修部ブログをお読みいただき大変ありがとうございました。来年は、PGY2に上がる新たなメンバーがまたさまざまな企画を考えてくれていますので、どうぞご期待ください。来年もよろしくお願いいたします!

それではみなさま、どうぞよいお年をお迎えください。

日本内科学会地方会で発表しました

手稲渓仁会病院では、各科ローテーション中に経験した希少な症例などを学会で発表する機会があります。発表準備は各科の指導医が手厚く面倒を見て下さるので、学会発表の経験が全くない方も安心です。

僕は今年の6月に日本小児科学会北海道地方会で発表をしたことがありますが、今回、初期研修中2回目の学会発表を日本内科学会北海道地方会で行いました。

会場は旭川でした。手稲から電車で約2時間ほどです。

ちなみに、学会の会場までの交通費・宿泊費や学会参加費はもちろん病院が補助してくれます(上限あり)。東京や大阪など遠方の学会で発表することもありますが、交通費・宿泊費の心配は要りません。

今回は、片側の腎動脈狭窄により低ナトリウム血症、血圧上昇が引き起こされるHyponatremic Hypertensive Syndromeという国内での報告が希少な疾患を経験しましたので、疾患について調べたことも交えて発表しました。発表の練習は何度も繰り返し行ったので自信がありましたが、本番はやはりゆっくり話しがちになるため、発表の長さは持ち時間の5分を少し超えてしまいました。そんな反省点もありましたが、結果として最優秀若手奨励賞をいただくことが出来ました!

そして、発表後の観光も学会の楽しみの一つです。

学会発表は多くの科で専門医取得の要件にもなっているので、初期研修中に指導医に面倒を見てもらいながら感覚を掴むのがいいと思います!それではまた!

手稲家庭医療クリニック専門研修オンライン説明会のご案内

こんにちは、手稲家庭医療クリニックの奥山由梨佳と申します。
この度、渓仁会手稲家庭医療クリニックの研修について詳しく知りたい方や、少しでも興味を持っている方向けにオンライン説明会を開催いたします。
手稲家庭医療クリニックは北海道札幌市郊外に位置し、手厚い指導体制のもと、急性期から終末期まで年齢・性別を問わず幅広く医療を提供しています。当プログラムでは在宅診療や緩和ケア領域においても豊富な経験ができ、多職種と連携しながら患者さんの病状や背景に合わせた適切なケアを提供する方法を学ぶことができます。
オンライン説明会は年2回を予定しており、今年度2回目の開催になります。一度ご参加頂いたことがある方も、気軽にご参加ください。

■日時:2023年12月20日(水) 20:00〜21:00
■対象:当院での研修にご興味をお持ちの医師・学生の皆様(専攻医や指導医のご参加も歓迎いたします)
■内容:
①当院紹介ムービー放映、当プログラムの説明(大塚院長より)
②専攻医による当院おすすめポイントを含めた自己紹介
③参加者からの質問コーナー
④ブレイクアウトルームを用いて少人数グループでお話ししましょう!

■参加申込:こちら からお申し込みをお願いいたします。
■参加方法:Web会議システム Zoom
■申し込み締め切り:2023年12月16日(土)
※参加者の方には12月17日にZoomのURLをお送りします。

ぜひ、お気軽にご参加ください。

第7回家庭医療クリニック 学生・研修医向け勉強会のお知らせ

こんにちは、手稲家庭医療クリニックの奥山由梨佳と申します。
手稲家庭医療クリニック(愛称 かりんぱ)では、定期的に学生・研修医向けの勉強会を行っています。
第7回のテーマは「薬剤副作用」です。かりんぱの外来症例を通して、よく使用する薬の副作用を学んでいきましょう。お気軽にご参加ください。
■日時 2023年11月22日 (水) 20:00~20:30(30分予定)
■対象 医療系学生、初期臨床研修医
■場所 Zoomによるオンライン開催 申込者には自動返信でURLをお送りします
■申し込みは こちら から
当日、皆さんとお会いできるのを、こころより楽しみにしております。

レジデントの学術活動

こんにちは。手稲渓仁会病院学術・図書委員の中村@総合内科です。今回はレジデントの学術活動とそのサポート体制について紹介します。

当院はレジデントの学術活動が盛んであり、国内外の学会で積極的に発表しています。抄録やスライドの作成、プレゼンテーション、文献的考察といったスキルは独学で身につけるのは難しく、一方でなかなか教わる機会のないものです。当院では上級医の手厚いサポートのもと自分自身で一連のステップを経験することで、それらのスキルを習得することができます。文献閲覧についてはClinical KeyやSpringerLink、NEJM(New England Journal of Medicine)、JAMAなどの英文誌へのアクセスや、医中誌、医書.jp、メディカルオンラインなどを通じての国内誌へのアクセスが確保されています。更に、学会発表や論文投稿に際して金銭面でのサポート制度もあり、学術活動を行うのに適した環境が用意されています。

そして、海外学会への参加についても積極的であり、ほぼ毎年米国や欧州の海外学会でレジデントが発表しています。本年も3名の初期研修医が米国総合内科学会で演題が採択され、現地で発表しました(参考記事はこちら)。グローバルな臨床教育の実践を掲げ、医学英語教育に力を入れている当院ならではといえるでしょう。

話は変わりますが、当院には「手稲渓仁会病院医学雑誌」という院内学術誌があります。渓仁会病院設立10周年の1997年に創刊され、それ以来20年以上にわたり数多くの論文を掲載し、当院の診療技術・技能の向上に貢献してきました。

そしてこのたび、手稲渓仁会病院医学雑誌が電子ジャーナルとしてメディカルオンラインで公開されました!

直近3巻分が公開されておりますので、ぜひこちらよりご覧下さい(本文閲覧にはメディカルオンラインへの登録が必要です)。

院内誌でありながら医学界に還元すべき貴重な知見を含んだ論文を収載しており、電子ジャーナルとして公開するに値すると確信したことから、今回の電子ジャーナル化・公開の運びとなりました。今回の電子ジャーナル化を機に、レジデントをはじめ院内の医療従事者による学術活動が更に活性化されることが期待されます。

当院は地域の中核病院であり、貴重な症例が集積しています。あなたもぜひ、当院での診療を通じて学び、見出した知見を、医学界に還元してみませんか?

第6回手稲家庭医療クリニック 学生・研修医向け勉強会のお知らせ

こんにちは、手稲家庭医療クリニック専攻医の奥山由梨佳と申します。
手稲家庭医療クリニック(愛称 かりんぱ)では、定期的に学生・研修医向けの勉強会を行っています。
第6回のテーマは「症例から家庭医療のtipsを学んでみよう!」です。実際のかりんぱの外来であった症例を通して、家庭医的な視点の両方を学べるレクチャーを提供していきます。お気軽にご参加ください。
■日時 2023年9月20日 (水) 20:00~20:30(30分予定)
■対象 医療系学生、初期臨床研修医
■場所 Zoomによるオンライン開催 申込者には自動返信でURLをお送りします
■申し込み  こちら から
皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

2024年度専攻医募集を開始しました

みなさま、こんにちは。

手稲渓仁会病院専門研修事務局です。

医学生の方の中には、初期研修修了後の進路も考えつつ、研修先を選ばれる方も多いと思います。

また、2年次の初期研修医の方も、日本専門医機構の専攻医登録を前に、来春卒後の勤務先を迷われている時期かと思います。

当院は、7つの基本領域(内科、外科、小児科、産婦人科、麻酔科、救急科、整形外科)の専門研修プログラムの基幹施設となっており、このたび来年度の専攻医募集を開始いたしました。

ぜひご覧いただければ幸いです。

募集要項は こちら から

 

TKHモーニングレポート

こんにちは!研修医2年目の照沼と申します。

2年目の研修医には、本ブログを担当するSNS係をはじめいろいろな係があり、それぞれが重要な役割を担っています。私は3人いるモーニングレポート係のうちの子分②ですが、代表して当院初期研修の特徴の一つである「モーニングレポート」(以下モーレポ)についてご紹介します!

○モーレポとは?

モーレポとは、ほぼ毎朝行われる1時間の研修医の教育のための時間です。内容は多様であり、当院指導医によるレクチャーの日もあれば、研修医による症例発表(日本語も英語も!)、エコーなどのハンズオンセッションなど、さまざまな形式で朝の学びの時間が確保されています。不定期で当院初期研修の卒業生による講演も行われ、海外で活躍されている先生や研究などアカデミアに専念されている先生の話も聞くことができ、キャリア形成の参考にもなります。

開催時間は7:30-8:30と早いですが、意欲的な研修医仲間とともに、学びの多い時間となっております!

○日本語モーレポの内容は?

救急対応、よく診る疾患の診断や初期治療、よく使われる薬について、感染症診療の基本、小児科の診察方法など、初期研修医としてマスターしたい基礎的な内容が中心となっております。レクチャーを担当してくださる指導医の先生方は皆とても教育熱心であり、モーレポは日々の臨床で浮かぶ疑問を解消する場としても重要と感じます。

また、レクチャーを受けるだけではなく、研修医が積極的に発表する機会も多くあります。症例を提示してディスカッションを行う症例検討会や、ローテートした科で勉強したことを共有する研修医発表などを通して、発表する研修医にとっても発表を聞く研修医にとってもアクティブに学ぶ機会となっています。

○英語モーレポとは?

当院の英語教育の一環としてモーレポは大きな役割を果たしています。英語モーレポは毎月のモーレポの半分弱を占めており、米国人医師によるレクチャーと当院研修医による症例発表が主な形式です。米国人医師はどなたもとても優しく、教育熱心であり、内科的な考え方をわかりやすく説明してくださいます。当院と提携しているテキサス大学 (UTMB) からは週1回レクチャーがあり、日本でもよく臨床の場面で遭遇する急性疾患の管理から、宇宙医学などの珍しい分野について話を聞くことができます。また、米国人神経内科医師により、月に1回神経内科のレクチャーをお願いしており、神経診察や神経学的異常の解釈について教えていただいています。

○英語に自信がないけど、ついていけるかな?

見学生でこれについて悩まれる方は多いです。実際のところ研修医の英語レベルはさまざまなので一人ひとりに合わせるのは難しいですが、継続的に英語に曝露されることで段々慣れて上達することを、私は同期を見てきて実感しました。米国人医師も研修医全員がネイティブでないことも理解しており、なるべくゆっくり、わかりやすく話すように配慮してくださいます。初めは全部聞き取れなくても、モーレポ内で発言して質問したり、モーレポ後に同期に確認したり、聞ける人にどんどん質問していくことで自信がつくと思います。

○モーレポのテーマは誰が決めるの?

モーレポの予定を組むのはモーレポ係ですが、随時研修医からレクチャー内容を募集しております。そのため、モーレポは研修医全員で作り上げるものと言っても過言ではありません!

○最後に

このブログを通して、モーレポの魅力は伝わりましたでしょうか?言葉だけではなかなかイメージが湧かないと思いますので、少しでも興味あればぜひ見学に来て、実際に雰囲気を味わってください!お待ちしてます!!

SGIM(米国総合内科学会)参加報告

初めまして、当院の元初期研修医、現麻酔科専攻医1年目の青山です。

最近はコロナが5類に移行し、国内学会も現地開催のものが増えてきているのではないでしょうか。

そんな中、私たちはアメリカで開催されたSGIM(米国総合内科学会 2023年5月10日~13日)に参加させていただきました。当院の歴代研修医が国際学会に参加し、楽しく良い経験になったとお話されていたのを聞いていたため、いつか参加してみたいと思っていました。

研修医2年目の総合内科ローテーション中に、血管内リンパ腫という珍しいリンパ腫を疑う症例を経験し、指導医の先生方からの応援もあり抄録を提出しました。演題が通ったとメールをいただいた時から参加を待ち望んでいました。また、同期と後輩研修医も演題が採択され、手稲渓仁会病院からは計3人の研修医が参加しました。

場所はロッキー山脈のあるコロラド州、デンバーです。あいにくの天気で曇りや雨も多かったですが、学会会場内からもきれいな景色を見ることができました。

学会はポスター発表と口頭発表の2種類があり、私たち3人ともポスター発表でした。

200枚以上のポスターが展示されるスペースの中で90分間展示して、興味を持って下さる先生とディスカッションする形式です。少しでもポスターを読んでいただける先生を引き留めたり、話しかけてみたり、さまざまな先生と交流し日本とアメリカの医療事情の違いをはじめ、興味深い議論をすることができました。

学会最終日はホールで朝食も提供され、以前当院にも来院されていたDr. Gehaの講演を聴くこともできました。講演前にもDr. Gehaや当院のモーニングレポートに出て頂いている米国内科医の先生方からも直接声をかけていただいて、渓仁会がいかに英語教育に恵まれた環境なのか改めて気づかされました。

また、日本人の先生にも数人お会いすることができ、中には今年度のマッチに応募するため興味のある施設の先生に声をかけたり、将来へ向けてのコネクション作りをしている先生もいました。

留学に興味のある先生も、そうでない先生もさまざまな楽しみ方ができる学会でした。将来的に国際学会への参加に興味のある学生さんも、是非当院に見学にいらして学会発表した先輩のお話を聞きに来て下さい。

学会の後に有給を利用してロサンゼルスで観光を楽しんだのはここだけの秘密です。

※ブログ編集部補足

今回の米国総合内科学会(2023 Society of General Internal Medicine Annual Meeting)では、3名の当院研修医が発表しました。発表演題は以下のとおりです。

AbstractはJ GEN INTERN MED 38 (Suppl 2), 81–799 (2023).  こちら よりご覧下さい。

Mariko Aoyama, Tetsuya Hoshi, Kaito Nakamura, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Megumi Sano, Yoshimoto Serizawa, Taku Shimizu, Satoshi Oota. A Lymphoma With no Mass; a 75 Year old Female Diagnosed With Diffuse Large B Cell Lymphoma.

Satoki Hatano, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Mariko Shimazu, Megumi Sano, Koki Kikuchi, Kaito Nakamura, Kimi Kase, Tetsuya Hoshi. Drug Eruption of Acetaminophen With Undiagnosed Sjogren’s Syndrome.

Sumire Isomura, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Mariko Shimazu, Megumi Sano, Tetsuya Hoshi. A Case of Dementia Patient With Malnutrition Secondary to Possible Institutional Neglect.

UCSF Rabih Geha先生が来日

初期研修医2年目の三瀬です。今回は、6月の総合内科のローテーション中にアメリカからRabih Geha先生が来日され、直接指導していただける貴重な機会がありましたので報告させていただきたいと思います。

Geha先生はUCSF (University of California, San Francisco)のAssistant professorであり、またClinical Problem Solversというオンラインコンテンツを通じて全世界の若手医師に臨床推論教育を行っている、Clinical reasoningのスペシャリストです。当院の朝のモーニングレポートでも、研修医が発表する症例に対して、共にディスカッションしていただいている先生です。

私が抱いた第一印象は、「なんて優しそうな人なんだ」でした。今までも画面を通じて、彼からは優しさはあふれていましたが、直接話してみると会話の一つひとつに思いやりを感じました。

Geha先生とのローテーションでは、朝のカンファレンスから始まります。新たな入院患者さんについてのプレゼンテーションと、入院中の患者さんのプレゼンテーションを英語で行います。そのあとに、Geha先生より各患者さんのメインの問題に関するレクチャーがあります。このレクチャーは、彼の知識の奥深さを感じるだけでなく、常に新たな発見がある刺激的な講義でした。その後、一緒に病棟回診をするのですが、そこでもGeha先生に驚かされました。診察に関しての質問をさせていただくと、診察についてどこに着目するかだけでなく、今後の方針についての助言であったり、日本とアメリカの医療における違いなど、期待した以上の回答が得られ非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。

Geha先生とのカンファレンスの様子

Geha先生から学んだことは、大きく二つあります。一つ目は、診断に対するアプローチの仕方です。日々診療していく中で、ただ鑑別疾患を上げるだけでなく、その鑑別疾患を上げるためにカテゴリーで分類し、思考過程をたどるプロセスをとることで漏れのない鑑別を上げていくことが可能になるのだと、改めて再確認することが出来ました。

二つ目は、学びに対する姿勢です。日々医療が進歩していくなかで、知識を更新し続けることは不可欠です。一方で、限られた時間の中での効果的に学び続けていくことは時として困難となることもあります。彼は、日々学び続けているだけでなく、自身がさまざまな教育の場を提供しています。私たちのモーニングレポートもしかり、このような場で学びをアウトプットしていくことで知識がより強固になっていくのだと感じました。

間近で彼の知識の深さや、教育に対する熱心さを経験することができ、これからの医学に対するとらえ方が大きく変わりました。1週間あまりと短い期間でしたが、かけがえのない貴重な経験をすることができました。