2023-05

「フレイル外来」はじめました!!【定山渓病院看護部ブログ】

5階の窓から

新緑の山々…

5月なのに真夏日を記録し、関東では熱中症の緊急搬送が増えているというニュースが聞こえてきています。北海道も日中は気を付けなければなりません。

 

この頃「フレイル」という言葉をTVや新聞で聞いたり目にしたりすることが多くなったように思います。

「フレイル」とは「か弱さ」を意味する言葉です。年齢を重ねるごとに活力は少しずつ失われていくと言われています。

「フレイル」は、2014年に日本老年医学会が提唱した概念で、「健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体機能や認知機能の低下がみられる状態」のことを指します。

フレイル外来ポスターより

 

「なんとなく体がだるい」「元気が出なくて、何もする気にならない」「お腹も空かないし、食べなくてもいいかな」などを自覚し、病院に行ったら先生に「年だからね!!」と言われるし…と思われている方もいるのではないでしょうか

 

高齢化率の高い定山渓地区にある当院では4月18日より「フレイル外来」を開設しました。

フレイル外来ポスターより

 

 

 

身体機能に関する検査やリハビリ体験等を実施し、身体の調子を確認して少しでも長く住み慣れた地域で生活できるように支援していきたいと考え、昨年12月から準備をしてきました。

バスでの来院が難しい方にはご自宅までの送迎もあります。

まずは、お気軽にお電話ください。

 

【フレイル外来の流れ】はじめての方

看護師より問診

採血➡身長・体重・血圧・骨塩定量検査(骨密度測定)

医師の診察

歯科医師から口腔機能検査の説明

リハビリの評価とリハビリ体験(体力測定)

筋肉量測定(CT)を受けて終了です。

受診された二人の方は、開設し初めての患者さんで、結果を受けて、外来リハビリを開始しました。

この後期間をあけて、フレイル外来に再診していただきます。

再診時には、診察・口腔機能検査・リハビリ指導・栄養指導を行い、フレイル外来の継続を検討します。

このブログでも今後「フレイル外来」の効果を引き続きお伝えしていけたらと思っています。

今回も、担当者からお話を伺い、いつものN・Taoが発信いたしました。

高校生のふれあい看護・介護体験with看護の日【定山渓病院看護部ブログ】

毎年玄関前に飾る生花。

毎年フローレンスナイチンゲールの生誕日の5月12日を看護の日と呼んでいます。その1週間を看護週間と位置づけて、全国的に病院・施設が、それぞれ様々なイベントを開催しています。

定山渓病院では、高校生のインターンシップのひとつとして「ふれあい看護体験」を毎年行っていて、例年近隣の高校に参加していただいています。

「私の若いころは…」話す高齢者の目をしっかりと見て、お話を聞いています。

 

高齢の患者さんと話をしたり、

 

 

 

指の間まで洗います「気持ちいいねー」と

 

手浴(適温でお風呂のように手を洗う)やお食事を介助して食べていただく場面の見学を行いました。

 

 

参加者は医療系の進学を考えている高校生が大半ですが、

 

友達に押してもらって、車いす乗車体験

中には「おばあちゃんの車椅子を上手に押したい」という動機で参加した高校生もいました。

体験を通して、少しでも看護という仕事に触れ、一緒にかかわってみたいなと感じてくれたらうれしいです。

「ちょっと怖いです。」リクライニング車いすをはじめて体験しました。

4月25日の北海道新聞には、参加していただいた札幌南陵高等学校の高校生が当院のユニフオーム姿で、掲載されていました。

新聞を見て「見慣れたユニフオームが載っている!!」と思わず反応してしまいました。

N・Tao

認知症マフってなに?【定山渓病院看護部ブログ】

 

今回は、認知症認定看護師 田屋 香さんから 「認知症マフ」ってなんですか?というお話をうかがいました。

田屋 香さんは、当院に入院される認知症の患者さんが、安心して生活出来るように認知症ケアチームで活動しています。

患者さんが実際に使用しているところ

「認知症マフ」とは、認知症の人の落ち着かない手を温かく保ち、知覚や視覚という感覚をケアに活用されるものです。

イギリスのオックスフォード大学病院の高齢者患者に活用され、一部地域では救急車に装備され認知症の人の搬送時に使用されているそうです。わが国では、朝日新聞厚生文化事業団が普及活動を行っています。

マフは、布や毛糸で作製した筒状のものの中に両手を入れ、中にあるぬいぐるみや軟らかなボール等を握ることで心地よい刺激となり、気持ちが落ち着いていきます。

点滴等のチューブ類を気にされる様子がある場合などに活用すると効果的といわれ、当院では、3月から使い始めています。

両手を入れ、マフの中で握れるぬいぐるみや軟らかなボール等をとれないよう縫い付けます

患者さんの知覚刺激や安心感から行動・心理症状(認知症)の緩和につながれば良いと考えています。

パステルカラーで、やさしい印象のマフ

マフの作成には、認知症ケアチーム担当医師が材料を提供してくださいました。リハビリスタッフが作業療法のひとつとして、患者さんと一緒に作成してくださったり、田屋さんの82歳のお母さまがボランティアで、お友達と一緒に「何か人の役に立ているのならば嬉しい」と、楽しみながら協力してくれているそうです。

 

 

 

 

最後に田屋さんは「まだ、使用事例は少ないので、これから事例を増やし、認知症マフの使用効果を明らかにしたい。そして、より効果的な使用方法を見出していきたいと思っています」と今後の抱負をお話し下さいました。

N・Tao