今回は、認知症認定看護師 田屋 香さんから 「認知症マフ」ってなんですか?というお話をうかがいました。
田屋 香さんは、当院に入院される認知症の患者さんが、安心して生活出来るように認知症ケアチームで活動しています。
「認知症マフ」とは、認知症の人の落ち着かない手を温かく保ち、知覚や視覚という感覚をケアに活用されるものです。
イギリスのオックスフォード大学病院の高齢者患者に活用され、一部地域では救急車に装備され認知症の人の搬送時に使用されているそうです。わが国では、朝日新聞厚生文化事業団が普及活動を行っています。
マフは、布や毛糸で作製した筒状のものの中に両手を入れ、中にあるぬいぐるみや軟らかなボール等を握ることで心地よい刺激となり、気持ちが落ち着いていきます。
点滴等のチューブ類を気にされる様子がある場合などに活用すると効果的といわれ、当院では、3月から使い始めています。
患者さんの知覚刺激や安心感から行動・心理症状(認知症)の緩和につながれば良いと考えています。
マフの作成には、認知症ケアチーム担当医師が材料を提供してくださいました。リハビリスタッフが作業療法のひとつとして、患者さんと一緒に作成してくださったり、田屋さんの82歳のお母さまがボランティアで、お友達と一緒に「何か人の役に立ているのならば嬉しい」と、楽しみながら協力してくれているそうです。
最後に田屋さんは「まだ、使用事例は少ないので、これから事例を増やし、認知症マフの使用効果を明らかにしたい。そして、より効果的な使用方法を見出していきたいと思っています」と今後の抱負をお話し下さいました。
N・Tao