院内デイケアのその後とある一日【定山渓病院看護部ブログ】

 

屋上でラベンダーと共におすましする“かっぽん”

 

院内デイケアを再開して2か月が過ぎました。

 

 

 

 

院内デイケア開設の目的は大きくふたつあります。

1.制限の少ない自由な環境の中で過ごすことにより、認知症患者の活性化や精神的安定を図る

2.認知症患者に要する時間的・人的な労力の軽減を図り、病棟全体の看護の質の向上を図る

参加する方は入院療養が優先ですから、食事時間 や入浴時間、リハビリ等で途中退出したり、途中参加を自由としていて、行事・レクリエーション参加も自由です。

疲れたら院内デイケアでお昼寝も大丈夫なようにベッドを準備しています

再開から今までの患者さんの様子としては、

「穏やかになった」「怒らなくなった」「夜眠るようになった」「笑顔が増えた」などの声がスタッフから聞こえてきます。

参加者からは、「また来たい!」「今日は何やるの?」「疲れたから一休みするかな~」とベッドで一休み⇒「スッキリしたわ」とまた活動へ戻るなど、その方の行いたいように過ごしていただいています。

また、院内デイケアで過ごしている写真や様子をご家族や在宅サービス担当者へ、郵送でお知らせすることが出来るといいなあと思っているところです。

行事・レクリエーションのアイデイアが担当者の介護職や療法士から続々と出てきて、曜日を決めて

足湯♨の日・アロマの日 カラオケ大会(マイクが大切)カフェ園芸などを行い、参加する方が選んでいただけるような仕組みも考えていきたいです。

収穫のために屋上に集まりました。

 

屋上で収穫したきゅうりを塩漬けにして食べる予定です。

 

きゅうりを見て飛びつくかっぽん

きゅうりにかぶりつきそうになり、捕まえられた “かっぽん”

 

きゅうりの収穫をすることを聞きつけ、いち早く屋上にいたかっぽんです。

 

 

N・Tao

「ホーホケキョ」うぐいすの声から相手の気持ちを察することに発想を飛ばす【定山渓病院看護部ブログ】

5階の窓から…晴天で青空が素敵です

病院のある定山渓は、山に囲まれているので、春にはうぐいすの声がたくさん聞こえてきます。

ある日、近くの席で一緒に働くMさんが「うぐいすは答えてくれるのを知っている?」と言います。

「ホーホケキョと聞こえたから、口笛で返してみたら、うぐいすも返してくれたの、何度も。へたくそな口笛だったからか、まるで ❝違うよ、ホーホケキョはこう鳴くんだよ❞ と言っているみたいに」

なんてromanticでやさしい解釈なのでしょう!!

感激して調べてみると、実はうぐいすは縄ばりを主張するために鳴いているので、ライバルと思って、それまでより低い声で「俺のシマだ、出ていけ」と鳴いているのだそうです。

な…なんと、Mさんは、うぐいすにライバルと思われたのですね鳴き声(口笛)が下手なら、うぐいすは無視することもあるとのこと。Mさんの口笛は下手ということではなく、ライバルと思われていたということも発覚しました。

このエピソードから、相手の行動の真意が自分の思っていたものと違うという事も人間関係でもあるのかもなんてと浮かびました。

春は過ぎ、季節は夏を迎えようとしているときに季節外れのテーマ。いつもの看護部ブログとは趣きを変えて書いてみました。break(ブレイク)という事で

N・Tao

院内デイケア!!  再開しました。【定山渓病院看護部ブログ】

今日は、再開した院内デイケアをご紹介しようとおもいます。

院内デイケアとは、具体的には何をするところでしょう?

入院生活は、治療や療養ために必要なことです。一方で普段の生活とリズムが違うことによるストレスが生じやすく、夜間の不眠や情緒の不安定、時には一時的な認知障害の原因になってしまいます。

そこで、日中の時間を利用して、行事やレクレーションに参加することで、生活のリズムを取り戻し、活性化や精神的安定を図ることを目的に院内デイケアを行います。

2021年に3か月間プレ運用し、ワーキングチームで話し合いながら人員体制やプログラムを修正していきました。その後感染状況もあり中止していましたが、COVID-19の感染症分類5類への移行を受けて再開しました。

イメージ写真(引き伸ばしたら、ピンボケになってしまいました)

デイケア詳細
方法:集団・小グループ・個人でレクレーションや会話を楽しんだり、ひとりで過ごすのもOK
対象者:当院に入院している方で、デイケア室に移動が可能な方
開催場所:1階デイケア室

日時:月曜日から金曜日10:00~14:30出入り自由とし、リハビリや入浴などを優先しています。

風船バレーやパズル・碁・TV鑑賞など色々行っています。

先日は、新たに足湯の日を開催し、

イメージ

園芸なども楽しむ予定です。
これからも参加者の希望を取り入れ、どんどん新たなことに取り組んでいく予定と聞いています。
継続して、このブログで様子を紹介できればと思っています。

 

N・Tao

「ジャネーの法則」を知って、時間に思いを馳せる!!【定山渓病院看護部ブログ】

札幌市南区にある札幌軟石の採石場跡地を利用した公園“石山緑地”

 

 

外を見ると暖かな日差しの日が多くなりました。

 

2023年のスタートがついこの間のように思っていましたが6月となり、もう少しで2023年も半分を迎えます。

よく「1年があっという間に過ぎるね」と話すことがありませんか?

その理由として有名なのが、「ジャネーの法則」という心理的現象によるものだそうです。 この法則は「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」というもので、同じ1年であっても、10歳の子供にとっては人生の10分の1であり、60歳の大人にとっては60分の1です。 年齢に対する比が小さいほど短く感じられるので、加齢によって体感する1年、時間が短く感じられるようになるということだそうです。

“年”ではありませんが「時間」を考えると、同じ1時間でも、後の

講義の眠い時の1時間と、

「血圧を測りますね」「体調はいかがですか」

 

 次々とケアを行っているときの1時間では、体感する感覚が違います。

 

 

看護師のみならず、4月入職した職員は特に感じているころではないでしょうか?

今は、先輩と一緒に行動することが大半だとは思いますが、いずれ自分1人で1日のスケジュールを組立、「次何々をします」と優先順位を決めて勤務時間の中で行動をしていくことになります。

やらなければならないことは沢山ありますが、終業時間は原則16:55です。そこに向かって、効率的な時間の使い方をしたいと、ベテランになっても思います。

N・Tao

高校生のふれあい看護体験Vol2 with看護の日【定山渓病院看護部ブログ】

5階の窓から、この日はお天気が良かった!!

 

 

6月に入り季節は初夏で、定山渓の山の緑も少しづつ鮮やかになってきました。

 

体力をつけて、免疫力アップの図

 

とは言え、気温はまだ低く体調管理に気を付けなければと思う日々が続いています。

5月24日(水)に今年度2回目の「ふれあい看護体験」 を行いました。
札幌市南区澄川にある札幌新陽高等学校に通う9名が来てくださいました。
9:30~15:00までの短い時間ではありましたが、いろいろな経験をしてほしくて、ギュッと詰まったスケジュールでした。

5月11日に続き、2回目の開催なので、今回は少し具体的にご紹介します。

 

当院送迎者で到着すると前日までに準備した病院ユニフォームに着替えました。

梅津看護部長

 

9:45 看護部長からごあいさつ 、続いて当院の紹介やキャリア支援などのお話をしました。

看護部長の話を真剣に聞いています

講義の様子

 

その後 感染予防について の動画視聴で基礎知識を学び、いよいよ病棟にに向かいます。

 

10:40  病棟担当者と共に病棟に移動し、「ふれあい看護体験」スタート!

患者さんのお話を聞いています

 

参加者交代で車いす乗車の体験

 

手浴、車いすやストレッチャー、

 

 

 

バイタルサイン測定 、食事介助場面の見学などを、病棟毎に工夫を凝らした体験で、飽きることなく楽しく過ごしてくれたと思います。

 

イメージです

 

13過ぎ:お昼休憩で、お弁当を食べた後に懇親会を行いました。

 

懇親会は、高校生と病棟スタッフでグループを作り、座談会形式で体験や感じたこと等を1人ずつ気軽に話していただきました。

 

いくつかご紹介すると

「とても楽しかったです。看護師さんたちがとても優しく接していたところが良いなと思いました。」「進路に迷っているけど、看護もいいかもと思いました。」「病院には医師や看護師だけではなく、たくさんの職種がいると思いました」等の感想・キャリアで考えていること等が聞かれました。

病棟担当者からも自身が「なぜ看護の道を目指したか」など、数年前のフレッシュな思いを交えて語り、楽しいひと時になりました(若さに圧倒された感じもなきにしもあらずです…(笑)

N・Tao 

地域活動のひとつ・恒例になりつつある、まちの保健室!!【定山渓病院看護部ブログ】

当院では、地域住民の皆さんへの看護相談への窓口として「まちの保健室」を開催しています。昨年7月から定山渓まちづくりセンターを会場として、月に1回、15日の10:30~11:30で行っています。

「130/78ですね」

 

「まちの保健室」では、地域に住む“やまびこクラブ”に所属している約20名の方(やや高齢の方~高齢の方まで様々)に健康に関する講話をきいていただき、血圧測定や簡単な健康相談などを受けています。

 

「フレイル外来というのを始めました」と紹介

講話のテーマは、「骨粗鬆症って何?」「検査データはどう見て、どう活かす?」「最近よく耳にするフレイルとは、なんだろう?」「お薬との上手な付き合い方」など多彩です。看護職はもちろん、医師・薬剤師、管理栄養士、リハビリテーション担当の各療法士など多職種が順番に行っています。

今月の健康講話『難聴を放置すると!? 認知症予防最大のカギは「きこえ」にある!』 言語療法士千葉さんより

「まちの保健室」の活動は、地域住民と専門職との橋渡しを、

院内1階に事務所がある 職員の北條さんが、当院担当の企画推進室課長の塚本さんと連携して行っています。

参加希望の方は、北條さんが窓口となっていますので連絡(☎598-3311)いただければと思います。

病院敷地内にそっと咲いていた1輪のチューリップ

N・Tao

「フレイル外来」はじめました!!【定山渓病院看護部ブログ】

5階の窓から

新緑の山々…

5月なのに真夏日を記録し、関東では熱中症の緊急搬送が増えているというニュースが聞こえてきています。北海道も日中は気を付けなければなりません。

 

この頃「フレイル」という言葉をTVや新聞で聞いたり目にしたりすることが多くなったように思います。

「フレイル」とは「か弱さ」を意味する言葉です。年齢を重ねるごとに活力は少しずつ失われていくと言われています。

「フレイル」は、2014年に日本老年医学会が提唱した概念で、「健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体機能や認知機能の低下がみられる状態」のことを指します。

フレイル外来ポスターより

 

「なんとなく体がだるい」「元気が出なくて、何もする気にならない」「お腹も空かないし、食べなくてもいいかな」などを自覚し、病院に行ったら先生に「年だからね!!」と言われるし…と思われている方もいるのではないでしょうか

 

高齢化率の高い定山渓地区にある当院では4月18日より「フレイル外来」を開設しました。

フレイル外来ポスターより

 

 

 

身体機能に関する検査やリハビリ体験等を実施し、身体の調子を確認して少しでも長く住み慣れた地域で生活できるように支援していきたいと考え、昨年12月から準備をしてきました。

バスでの来院が難しい方にはご自宅までの送迎もあります。

まずは、お気軽にお電話ください。

 

【フレイル外来の流れ】はじめての方

看護師より問診

採血➡身長・体重・血圧・骨塩定量検査(骨密度測定)

医師の診察

歯科医師から口腔機能検査の説明

リハビリの評価とリハビリ体験(体力測定)

筋肉量測定(CT)を受けて終了です。

受診された二人の方は、開設し初めての患者さんで、結果を受けて、外来リハビリを開始しました。

この後期間をあけて、フレイル外来に再診していただきます。

再診時には、診察・口腔機能検査・リハビリ指導・栄養指導を行い、フレイル外来の継続を検討します。

このブログでも今後「フレイル外来」の効果を引き続きお伝えしていけたらと思っています。

今回も、担当者からお話を伺い、いつものN・Taoが発信いたしました。

高校生のふれあい看護・介護体験with看護の日【定山渓病院看護部ブログ】

毎年玄関前に飾る生花。

毎年フローレンスナイチンゲールの生誕日の5月12日を看護の日と呼んでいます。その1週間を看護週間と位置づけて、全国的に病院・施設が、それぞれ様々なイベントを開催しています。

定山渓病院では、高校生のインターンシップのひとつとして「ふれあい看護体験」を毎年行っていて、例年近隣の高校に参加していただいています。

「私の若いころは…」話す高齢者の目をしっかりと見て、お話を聞いています。

 

高齢の患者さんと話をしたり、

 

 

 

指の間まで洗います「気持ちいいねー」と

 

手浴(適温でお風呂のように手を洗う)やお食事を介助して食べていただく場面の見学を行いました。

 

 

参加者は医療系の進学を考えている高校生が大半ですが、

 

友達に押してもらって、車いす乗車体験

中には「おばあちゃんの車椅子を上手に押したい」という動機で参加した高校生もいました。

体験を通して、少しでも看護という仕事に触れ、一緒にかかわってみたいなと感じてくれたらうれしいです。

「ちょっと怖いです。」リクライニング車いすをはじめて体験しました。

4月25日の北海道新聞には、参加していただいた札幌南陵高等学校の高校生が当院のユニフオーム姿で、掲載されていました。

新聞を見て「見慣れたユニフオームが載っている!!」と思わず反応してしまいました。

N・Tao

認知症マフってなに?【定山渓病院看護部ブログ】

 

今回は、認知症認定看護師 田屋 香さんから 「認知症マフ」ってなんですか?というお話をうかがいました。

田屋 香さんは、当院に入院される認知症の患者さんが、安心して生活出来るように認知症ケアチームで活動しています。

患者さんが実際に使用しているところ

「認知症マフ」とは、認知症の人の落ち着かない手を温かく保ち、知覚や視覚という感覚をケアに活用されるものです。

イギリスのオックスフォード大学病院の高齢者患者に活用され、一部地域では救急車に装備され認知症の人の搬送時に使用されているそうです。わが国では、朝日新聞厚生文化事業団が普及活動を行っています。

マフは、布や毛糸で作製した筒状のものの中に両手を入れ、中にあるぬいぐるみや軟らかなボール等を握ることで心地よい刺激となり、気持ちが落ち着いていきます。

点滴等のチューブ類を気にされる様子がある場合などに活用すると効果的といわれ、当院では、3月から使い始めています。

両手を入れ、マフの中で握れるぬいぐるみや軟らかなボール等をとれないよう縫い付けます

患者さんの知覚刺激や安心感から行動・心理症状(認知症)の緩和につながれば良いと考えています。

パステルカラーで、やさしい印象のマフ

マフの作成には、認知症ケアチーム担当医師が材料を提供してくださいました。リハビリスタッフが作業療法のひとつとして、患者さんと一緒に作成してくださったり、田屋さんの82歳のお母さまがボランティアで、お友達と一緒に「何か人の役に立ているのならば嬉しい」と、楽しみながら協力してくれているそうです。

 

 

 

 

最後に田屋さんは「まだ、使用事例は少ないので、これから事例を増やし、認知症マフの使用効果を明らかにしたい。そして、より効果的な使用方法を見出していきたいと思っています」と今後の抱負をお話し下さいました。

N・Tao

蕗の薹から春に思う【定山渓病院看護部ブログ】

蕗の薹(ふきのとう)3月~4月の雪解けとともに路肩にニョキニョキ出てきます。地味ですが、桜とともに季節を感じますね。花言葉は「待望」「愛嬌」「仲間」「真実は1つ」だそうで、贈り物やグループのシンボルなどに向くと書いてありました。そういえば、北海道で有名なお菓子屋さんの包装紙に使用されていました。

食べると少しの苦味がある「大人の味」です!!とはいえ、なかなか摘みには行けず口にすることは少ないのが正直なところ……

そんな蕗の薹を見ながら‘春‘を連想していると、更衣室でこんな声が聞こえてきました。「新人さんの名前覚えたー?」「まだ全然……」お話していたのは他部署の方です。新人さんは顔を覚えてもらうところからですね!4月も後半、新入職員も研修の日々から少しづつベッドサイドに行く機会も増えてきます。

先輩も「新人さーん」なんて呼ばないで、しっかりお名前を呼んで、必要なことを伝達していきたいものです。

随分前ですが、異動されてきた上司があっという間にスタッフの名前を覚え、話しかけていました。聞くと「努力しているのよ、名前で呼ぶことを大切にしているから」と…努力していることをはっきり言葉にできる、そこにも共感したことを思い出しました。

お久しぶりのかっぽん!!素敵な 手作り鯉のぼりと仲間が増えていました

春の徒然に思ったことでした

N・Tao