「神経難病」という言葉は必ずしも適切だとは思えませんが、「医学的治療に難渋する」という観点では確かにそうです。しかしながら「元疾患が消滅しないこと」と「生活の質が劣ること」は同義ではありません。元疾患の治療は勿論大切ですが、それ以外に「生活の質」を向上させる方法はあります。それがリハビリテーションです。ここでの「リハビリテーション」とは、看護やソーシャルワークや社会全体をも含む広義のものです。
「神経難病リハビリ」では、理念に沿った形で難治性の慢性疾患にリハビリテーションを提供し、患者さんの「生活の質」を向上させることを目標としています。
下の図は「臨床医療的な見方」と「リハビリ医療的な見方」を示しています。
左側の「臨床医療的な見方」では、疾病の根底に存在する原因を医学的に究明し、それに対する治療が施されることを示しています。患者さんが日常生活上で困る事があるとしても、それが解決するかどうかは「担当する医師の資質」にかかっています。色々と指導してくれる医師もいますが、そうばかりとは限らないでしょう。
右側の「リハビリ医療的な見方」では、疾病の原因を無視する訳ではありませんが、患者さんが抱える問題点を分析・評価する事から始まります。その結果を基にして、リハビリ療法士を初めとして多くの職種が連携して問題解決にあたります。
図の右側(リハビリ医療)のスペシャリストだけ存在していても、実はどうにもなりません。当院は「神経内科」を大きな柱とする病院です。左右の両輪が揃うことで、患者さんの「全体としての生活の質」は向上するはずです。
次の図は、同じ内容を別な観点から示したものです。最初に示したように、リハビリ医療の中には種々の社会サービスが含まれます。
2024年4月1日現在
札幌西円山病院のリハビリ療法士は
- 理学療法士 93名
- 作業療法士 69名
- 言語療法士 44名
- 音楽療法士,健康運動指導士,レクワーカー 計6名
- 臨床心理士 1名