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若き日のレオナルド・ダ・ビンチ

2022.05.23

2009年3月2日の読売新聞でレオナルド・ダ・ビンチに関する新発見の記事が掲載されたことがあります。レオナルドの素描については人体解剖図、水の流れや渦の巻き方、戦争の際に用いる兵器の考案図など数多く残されています。彼は人間が空を飛ぶことも考えており、鳥の観察記録である飛翔の素描も残しています。その解説文は左手で書いた鏡像文字ですが、その行間に顔の一部が見えました。その部分をコンピュータ画像処理すると顔全体が浮かび上がってきたというものです。それまでもレオナルド・ダ・ビンチの自画像として晩年を描いたものが有名でしたが、これについては彼自身が描いたものではないという否定的な説もあったようです。新発見された顔はこれに良く似ています。しかも若い頃のようです。当時の紙は貴重品だったからでしょう。この顔を消した後に、鳥の飛翔のスケッチとして転用したものと思われます。レオナルドの私的な観察帳の中の1枚であり、それから復元したものなので自分で描いた自画像であるという解釈が妥当と思われます。全体像の復元はコンピュータ処理の賜物ですから、現代でなければ不可能だったかもしれません。しかしながら行間に見えた単なる染みの様にも見える部分が、約500年もの長い間に誰にも気付かれなかったというのがすごいです。そこに鼻らしきものがあると気付きさえすれば、すぐにでも分かりそうなものですが、それこそコロンブスの卵でしょう。

 

 

 

 

2009年3月2日の読売新聞