当科の理念・診療方針
医療情報の開示・公開
当科では、医療に関する情報は可能な限り(患者さんのプライバシーを守り)広く公開されるべきであると考えています。カルテの開示はもちろん手術件数・内容、治療方法・成績なども積極的に公開して行きたいと思っています。
私たちは、どんな医師が、どんな考え方で、どんな医療をしているのか、あるいはしようとしているのかをこのホームページを通じて少しでもお知らせできたらと思っています。
過不足のない外科治療の追究
私たちの目指す医療は一言で言うと“過不足のない外科治療”です。つまり疾患を治療するために必要な最小限の医療(手術術式、補助療法はもちろん入院期間、医療費なども)を追究することです。最小限の医療と言っても質の低下を意味するものではありません。医療の質を保ち、さらに向上させながら行われなければなりません。
たとえばがんの治療であれば、より低侵襲な手術(正常機能を出来るだけ温存し、術後のQOLを保った“体にやさしい手術”)でがんを根治すること、有効かつ合理的な術前後の補助療法が必要な人だけに行われることなど、患者さん一人ひとりに対して最適な治療法は何かを常に考えていくことです。そのためには治療成績を求め、予後因子を解析することが不可欠であり、現在の治療方法➝治療成績➝予後因子の追究、解析➝より効果的な新しい治療方法の流れの中で、謙虚に学び、過不足のない外科治療を施行していくことが大切あると考えています。
質の高い医療を分かりやすく提供
質の高い医療と言っても、患者さんにとって分かりにくい医療であってはならないと思っています。分かりやすい十分な説明はもちろんですが、クリニカルパスなどを用いて、さらに具体的な治療経過をお知らせしたいと考えています。質の高い医療を分かりやすく提供することを常に考え、種々の方法で実践して行きたいと思っています。
内科での検査が終了して手術治療が提示された患者さんには、外科外来で医師面談し、治療方針を確認したのち患者サポートセンターでの手術オリエンテーションを受けていただいております。看護師、薬剤師、栄養士からの説明もあり、手術治療へ向けてのご理解と準備をすすめていきます。
患者さんや家族と一緒に考える医療
私たちは常に考え得る最良の医療を提供したいと思っています。しかし、医学的に最良と思われる医療がすべての患者さんにとって最善とは限りません。なぜなら患者さん個々の生活環境、生き方、考え方などが密接に関係しているからです。医療を一方的に推し進めるのではなく、患者さん一人一人にとって何が大切かを一緒に考える、そんな外科でありたいと願っています。そのためには、私たち自身にも医療人、社会人としてのバランスのとれた考え方が求められていることを謙虚に受けとめたいと思っています。