検査・治療
一般撮影検査
一般撮影では、胸部や腹部、全身の骨・関節等のX線撮影や、マンモグラフィ(乳房撮影)を行っています。
・X線撮影
■X線撮影とは
一般的にレントゲン撮影とも言われており、X線を人体に照射し、人体を通過したX線量の差を画像にする検査です。X線写真では、X線が通過しにくい骨などは白く、X線が透過しやすい空気を多く含む肺は黒く写ります。
■被ばく低減の取り組み
当院では、X線撮影装置にFPD(フラットパネルディテクタ)検出器を導入しており、従来のCRシステムよりも、少ない放射線量で高精細な画像を撮影できます。以前に比べて約40~60%の被ばく線量の低減を実現しています。
■当院の装置
X線撮影装置
・MRAD-A50S/A1 RADREX(Canon社):5台
・Rad next(FUJIFILM社):1台
回診用X線撮影装置
・CALNEO GO PLUS(FUJIFILM社):2台
・Mobile DaRt(島津社):1台
・sirius 130HP(FUJIFILM社):1台
・sirius starmobile tiara:1台
・マンモグラフィ
■マンモグラフィとは
マンモグラフィとは、乳房のX線撮影のことで、乳房専用撮影装置を用いて撮影します。乳房を圧迫板ではさみ薄く広げて撮影することで、乳房内の小さなしこりや石灰化を鮮明に映し出すことができます。当院のマンモグラフィ撮影は、女性放射線技師が担当しています。
■トモシンセシス撮影
3Dマンモグラフィとも言われており、撮影管球の角度を変えながら複数枚の画像を撮影することで、断層画像を得ることができます。トモシンセシス画像(3D)は1mm厚の画像を表示できるため、通常のマンモグラフィ画像(2D)では乳腺の重なりで発見しづらかった病変を検出しやすくなります。
■注意事項
次のような方は、検査を受けられないことがありますのでスタッフにお申し出ください。
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・ペースメーカー、CVポート等が胸部に埋め込まれている方
・豊胸手術を受けた方(シリコン・生食パック、脂肪・ヒアルロン酸注入等)
■マンモグラフィ検診認定
当院は、NPO法人日本がん検診精度管理中央機構のマンモグラフィ検診施設画像認定を取得しています。また、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師が17名在籍しています。
■当院の装置
骨塩定量検査
■骨塩定量検査とは
骨塩定量検査とは、骨を構成しているカルシウムなどのミネラル類の量を測定する検査です。骨粗しょう症や代謝性骨疾患の診断に用いられます。当院では、DXA法による骨塩定量検査を行っています。DXA法はDual-energy X-ray Absorptiometry(二重X線吸収測定法)の略で、エネルギーの異なる2種類のX線を用いて骨とほかの組織とを区別し、骨密度を測定する方法です。ガイドラインでは骨折しやすい部位である腰椎と大腿骨頚部の両方を測定することが推奨されているので、これに準拠して検査を行っています。
■当院の装置
■検査結果
X線テレビ検査
■X線テレビ検査とは
X線を用いて体の中を透視し、その様子をリアルタイムにモニターで観察しながら様々な検査・治療をすることができます。当院では5台の装置で消化器科、泌尿器科、放射線科、婦人科呼吸器科、整形外科等の検査を行います。
■当院の装置
・UitimaxーI(Canon社):2台
・Astorex i9(Canon社):2台
・CUREVISTA Open(FUJIFILMヘルスケア社):1台
■子宮卵管造影
造影剤を子宮内に注入して子宮内の状態と卵管の通過性を調べる検査です
■脊髄腔造影検査(ミエログラフィー)
脊髄(首や腰など)に造影剤を注入して、いろいろな角度から脊髄を撮影していく検査です。頚椎や腰椎の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎すべり症などによる神経の圧迫状況の把握などに有用な検査です。
■CVポート留置術
CVポートは、中心静脈カテーテルの一種で、正式には皮下埋め込み型ポートといわれるものです。皮膚の下に埋め込んで薬剤を投与するために使用します。CVポートは、100円硬貨程度の大きさの本体と薬剤を注入するチューブ(カテーテル)より構成されています。通常は、首や鎖骨の下の血管からカテーテルを入れ、右または左の胸の皮膚の下に埋め込みます。また、状態によっては腕に埋め込むこともあります。カテーテルの先端は、心臓近くの太い血管に留置されます。
■PICC留置術
PICCは、通常上腕から挿入する中心静脈カテーテルです。他の中心静脈カテーテルと比較して、腕から比較的簡単に挿入でき、挿入後の感染などのリスクも少ないのが特徴です。また管理方法によっては長期間にわたって使用できるカテーテルです。
■泌尿器科系検査・処置
逆行性尿道造影、逆行性腎盂造影、排尿時膀胱造影などの腎臓、尿管、尿道、膀胱の造影検査や、尿管ステント留置術、腎瘻造設術などの処置を行います。
■内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
内視鏡を口から挿入し、十二指腸にあるファーター乳頭と呼ばれる場所から造影剤を注入し、胆道及び膵管の異常を詳しく調べる検査です。疾患によってはERCPの検査に引き続いて治療を行います。主に総胆管結石に対しては,内視鏡的乳頭切開術(EST)や内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)による内視鏡的採石術、胆管癌や膵癌による胆管・膵管閉塞に対しては,ドレナージやステント挿入等を行います。
■経気管支肺生検(TBLB )
びまん性肺疾患や、サルコイドーシス、肺がん、肺炎の形態を示す何らかの肺病変に対し、気管支鏡とX線透視を用いて肺の組織の一部を採取してくる検査です。
CT検査
■CT検査とは
CT(Computed Tomography)検査はX線を利用して、物体を透過したX線の量をデータとして集めてコンピュータで処理することによって、人体の断面(輪切り)画像を得る検査です。短時間で広範囲を撮影することができ、任意の断面や立体的な画像(3D画像)を作成することも可能です。
■当院の装置
・Discovery CT 750HD(GE社) 64列Dual Energy
・Revolution Ascend(GE社) 64列
・Revolution Apex Elite(GE社) 256列Dual Energy
■CT検査の流れ
[受付]
当院1階、CT受付に患者基本カードを出して待合で座ってお待ちください。
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[更衣]
受付担当者によるご本人のお名前・生年月日の確認後、着衣に金属性のもの(ネックレス、金属性のボタン、ファスナー、金属のついている下着)があれば更衣室で外していただき、必要であれば検査着に着替えていただくこともあります。金属がついていなければそのまま検査することが可能です。
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[造影検査時の血管確保と問診]
造影検査を行う前には、前室で担当看護師がアレルギーや造影検査歴等をお聞きします。その後、造影剤を注入するために腕の静脈に針を刺して血管を確保し、検査の順番を待っていただきます。
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[検査]
検査室に入室後、検査台に寝ていただきます。ベッドが動き、担当放射線技師から検査の説明(検査部位、造影剤の使用の有無、動かないこと、息止めの合図等)があります。
検査ではドーナツ型のトンネルにベッドが入り撮影します。(造影検査の場合は、造影剤注入後に撮影します) 撮影が終わりましたら担当放射線技師が検査台を下げます。下がり終わったら降りて頂き、体調に異常がなければ検査終了となります。造影検査の場合、検査後は水分を普段より多めにとってください。
■検査時の注意事項
検査前に以下の事項を確認してお知らせください。該当すると検査が行えない場合があります。
・ペースメーカ―や植込型除細動器等の人工物が体内に埋め込まれている。
・造影剤アレルギーがある、また過去に造影剤を使用して副作用(吐き気、掻痒感等)がでたことがある。
・糖尿病のお薬を服用している、喘息の既往がある、妊婦又は妊娠の可能性がある、腎機能が低下している。
・閉所恐怖症である。
■頭部CT検査
脳や頭蓋骨における、腫瘍、脳梗塞、脳出血、骨折等の診断をするための検査です。
■胸部CT検査
肺や胸部にある臓器・血管における、腫瘍、出血、肺炎等の診断をするための検査です。
■腹部CT検査
腹部にある臓器・血管における、腫瘍、出血、炎症等の診断をするための検査です。
■脊椎、四肢のCT検査
骨折やヘルニア等、主に整形外科領域の診断をするための検査です。
■3DCT検査
血管、臓器、骨の位置関係、状態を立体的(3D)に画像化し、手術支援等のために施行します。
■研究論文・医学雑誌の紹介
中島広貴
映像情報 Medical vol.55 No.2 FEBRUARY2023 『RSNA印象記』
CT検診(Journal of Japanese Society of CT Screening)『肺がん検診CTを用いた冠動脈石灰化解析への基礎検討』
板谷春佑
映像情報Medical vol.55 No.2 FEBRUARY2023 『AI・自動化技術が変えるCT撮像ワークフロー』
日本放射線技術学会雑誌 Vol. 72 (2016) No. 11 『Dual energy CTを用いた肝臓における脂肪量の定量評価』
歯科用CT検査
■歯科用CTとは
歯科用CT(Computed Tomography)は、CT撮影装置とコンピュータ処理により、歯科領域における撮影データを3次元的に構築し、骨の状態などが正確・高精度に診断できる装置です。通常のCTよりも高解像度なので歯や骨等を詳細にみることができます。また、歯科用CTはインプラント治療だけでなく、矯正や根管治療、親知らずなど、幅広く様々な歯科治療の支援に用いられます。
■当院の装置
MRI検査
■MRI検査とは
MRI検査とは、強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮像する検査です。(MRI=Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)
MRI検査では様々な病巣を発見することができます。特に脳、脊椎、四肢、肝臓や膵臓などの消化器、子宮、卵巣、前立腺等の骨盤腔、心臓に生じた病変に関して優れた描出能が知られています。色々な病気の早期発見、診断にMRI検査は有効とされ研究が進んでいます。また、検査目的により様々な種類の画像や多様な断面での撮像が可能です。複数の種類の画像を取得するため撮像時間が他の検査より長くなりますが、複数の種類の画像を用いることで病変の描出能が優れています。
・検査時間は検査室に入ってから出るまで概ね20分~40分です。(検査部位・条件により異なります)
・検査中はベッドに横になっていただきます。(出来るだけ体をうごかさないでください)
・検査中に気分が悪くなるなどの異常を感じた場合には、ためらわずに連絡ブザーを押してお知らせください。
・検査中は工事現場のような様々な機械音がします。また、途中で音が変わっても故障ではありませんので安心ください。
■当院の装置