輸血検査室
血液は体内で酸素や栄養を運び、出血を止めるなど重要な働きを持っています。輸血療法は、ケガ・手術での出血や病気で貧血状態の場合に足りない成分を補充する、最も身近な臓器移植であり、現代の医療においては欠かすことのできない治療の一つです。
輸血検査室では臨床検査技師5名(日本輸血細胞治療学会認定 認定輸血検査技師4名、細胞治療認定管理師3名/2023年5月現在)により、血液型検査・輸血検査と血液製剤管理を、また手術時に使用する患者さんの自己血の採取・分離調製・保管を行っております。また、院内輸血療法委員会の事務局を担当し、いろいろな情報の提供を行っています。
輸血関連検査・輸血用血液製剤の管理
ABO・Rh式血液型検査をはじめ、不規則抗体の有無、交差適合試験を行います。
その他、直接クームス・間接クームス試験なども行います。
24時間体制で血液製剤の温度管理を行い品質を保持し、極力無駄なく適正使用を行います。また、輸血同意書の管理、副作用情報の管理も行います。
自己血の管理
待期的手術において、事前に患者さんから血液を採取し(自己血)赤血球と血漿に分離後別々に保管し手術に備えます。手術時、必要な血液成分のみの使用が可能となっています。
2015年8月より、患者さん自身の血液から自己生体接着糊(自己フィブリン糊:クリオシールシステム)を作製することが可能となりました。これは、手術中に使用する組織への接着剤の役目となり、すべての成分を自分の血液から作製し他家(他人)のものは無いため感染のリスクも軽減できるとともに創傷治癒の早い効果も期待できます。
その他の業務
末梢血幹細胞移植に際しての細胞採取・細胞調製、難治性潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法、多血症や薬剤無効性肝炎の患者さんを対象にした瀉血(しゃけつ)療法を行っております。