業務内容
われわれ臨床工学技士は、生命維持管理装置の操作・保守管理のみならず患者さんの循環動態を把握しチーム医療の一員として情報や意見交換を行い、より安全で最良の医療技術の提供ができるよう日々研鑽しています。
体外循環業務
心臓手術中、心臓を止めている間、患者さんの心臓と肺に代わって人工心肺装置を操作します。先天性心疾患では生後間もない新生児から複雑心奇形、後天性の心臓血管疾患では複合的な疾患を抱えた重篤な症例が多くなっており、安全で生体にやさしい体外循環を心掛けています。
心臓カテーテル室業務
心臓カテーテル室では狭心症や心筋梗塞に対する検査ならびに治療を行います。2000年より臨床工学技士の清潔介助業務を行い治療や検査を安全に行っております。また、2003年より3D Mapping system(2022年現在2機種導入)も導入され不整脈に対する根治治療も積極的に行われています。従来のペースメーカー植込みやジェネレータ交換と共に、植込み型除細動や両心室ペーシングと新しい治療法も導入されています。
ペースメーカー管理業務
ペースメーカー外来では、体内式ペースメーカー・植込み型除細動器などの植込み術後のフォローを週2~3回の外来でフォローしています。最近ではインターネット回線を通じてペースメーカーの情報を遠隔モニタリングでフォローアップも行っています。
血液浄化業務
透析室ベッド数は20床で1部は月~土まで毎日行っています。特色としては、透析室の約8割以上が循環器科、消化器科、脳外科、整形外科などの検査や手術を目的とした患者さんです。そのため、各種合併症を有した患者さんの透析中の循環管理や容態の変化に即座に対応すべく、医師・看護師と連携し安全な透析治療を提供しています。 集中治療室では、重症心不全・敗血症・劇症肝炎・急性重症膵炎などの重症例が多く、持続緩徐式血液透析濾過法(CHDF)や血漿交換(PE)、二重濾過血漿交換(DFPP)など各症例に適した各種血液浄化療法を併用し治療しています。
呼吸酸素管理業務
高気圧酸素治療では、装置内を酸素で加圧し突発性難聴や網膜動脈閉塞症など各診療科からの依頼に対応し、一酸化炭素中毒などの緊急を要する病気にも対応しています。最近では整形外科や口腔外科からの慢性骨髄炎などの治療が増加しています。また、人工呼吸器・非侵襲的陽圧換気(NPPV)の機器管理や使用中ラウンド、呼吸ケアサポートチームへの参加、さらに肺高血圧症には一酸化窒素(NO)吸入療法も行っています。
ハイブリッド手術室業務
近年増加してきているステントグラフト留置術や経カテーテル的心房中隔欠損閉鎖術(ASO/FSO)、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)、経皮的僧房弁クリップ術(MitraClip)、経皮的左心耳閉鎖術(LAAC)の介助業務を行っており、チーム医療の一員として安全な治療ができるよう心掛けております。
手術室関連業務
近年、手術の低侵襲化や医療機器の高度化に伴い、内視鏡手術装置や麻酔器、電気メスなどに代表される手術関連医療機器管理業務として手術室に常駐し、手術中の医療機器トラブルへの対応をはじめ医療機器の保守管理を行なっております。また、da Vinciを用いたロボット支援手術、眼科手術、整形外科のナビゲーション手術については、術中の医療機器操作を実施しております。
内視鏡センター業務
内視鏡センターでは軟性内視鏡を用いた検査・治療が行われており、関連する医療機器は数多くあります。そのため、常駐して内視鏡関連医療機器の保守管理を行なっております。また、上下部消化管に対する内視鏡処置・治療は処置具操作などの介助業務を実施しています。
ME機器管理業務
ME機器管理センターにおいて、各科共同使用できるME機器を組織化して、効率的な運用を図り、定期的に保守・点検を施行することにより安全性の向上に努めています。 現在200機種・約2,000台のME機器管理を行っています。
・シリンジポンプ 300台
・輸液ポンプ 500台
・人工呼吸器 34台(NPPV 10台)
呼吸補助器(ハイフローセラピー)14台
・麻酔器 19台
・心電図モニター
セントラルモニターシステム 27基
・パルスオキシメーター 140台
・除細動器 32台
・体外式ペースメーカー 13台
・自動血圧計 9台
・電気メス 37台
・手術用超音波装置・レーザー・水圧式ナイフ 13台
・血液浄化装置 32台(透析室 20台、病棟・ICU用 12台)
・高気圧酸素治療装置 2台
・人工心肺装置 2台
・IABP装置 3台
・ECMO装置 3台
・IMPELLA装置 2台