良質な医療を適切な在院日数で提供
1.入院期間
<解説>
入院期間は良質な医療が提供できているかを測る指標です。
適切な治療を過不足なく提供することで、安定した入院期間となります。
●入院期間Ⅱ以内の退院率

患者さんが適切な日数で退院することができたかを示す指標となります。
「入院期間Ⅱ」とは、定額算定を行っている全国医療機関の入院日数を平均した値となります。
入院期間Ⅱ以下を目指すのではなく、推移を追って背景を確認していく指標となります。
※分母は、定額算定が適用された退院患者さんのみが対象

<考察>
2022年度に診療報酬の改定があったため多少の下降はあったものの、数値に大きな変動はありませんでした。
過不足のない安定した入院期間が提供できていることが分かります。
2.再入院
<解説>
入院で行うべき治療が適切に行われているかを測る指標です。
退院された患者さんは様々な要因で再入院が必要となる場合があります。
合併症や疾患の再発などのやむを得ない場合もありますが、なかには早期退院したことが原因で再入院となる場合もあります。
●退院後4週間以内予定外再入院率

退院後に予期しない再入院がどれくらい発生したのかを示す指標となります。
「化学療法での繰り返し入院」や「検査後の予定手術」など、予定通りの再入院は対象外となります。
予定外再入院でも、「退院後に転倒したため治療目的で再入院」や「全く関連の無い病気が発症したため再入院」など、前回入院と関連の無い入院も対象外となります。

<考察>
当院は5%前後で推移していますが、更にその背景を分析して、適切な医療が提供されているか検討していきたいと考えます。
3.患者の管理
<解説>
患者さんの管理が適切に行われているかを測る指標です。
状態を管理する指標として褥瘡とリハビリ介入をピックアップしました。
褥瘡とは、一般的には“床ずれ”とも呼ばれ、寝たきりなどによる自重や医療機器による圧迫で血流が悪くなることで、皮膚の一部が赤くなり傷ができることです。
褥瘡の深さをd0~D5で評価し、値が低いほど症状は良くなります。
「d2」とは、皮膚が損傷している状態を指します。
●褥瘡発生率

入院している間に褥瘡がどれくらい発生したのかを示す指標となります。

<考察>
当院の褥瘡発生率は0.65%前後を推移するという結果となりました。
数値に大きな変動が無い事から新規発生件数は増加しておらず、適切な患者管理ができていると考えられます。
●リハビリオーダー時と退院時のADL(日常生活動作)変化
リハビリ介入した患者さんが開始前と開始後でどれくらいADLが改善したかを示す指標となります。
「FIM」とはADLを評価する点数で【運動項目】13項目、【認知項目】5項目で構成されています。
各項目を1~7点で評価し、点数が高いほどADLは良くなります。
点数の内訳は以下のようになります。

算出方法は、退院時のADLからリハビリオーダー時のADLを引いたADL変化の平均値を集計しています。

<考察>
ADLに大きな変化は見られませんでした。
年度により多少の変化があるため、引き続き推移を確認していきます。