安心して入退院できる支援
1.在宅支援
<解説>
在宅支援が必要な患者さんにどれくらい支援を提供できているかを測る指標です。
在宅支援は今後高齢化が進んでいくにあたって、より重要度が増してくると予想されています。
●カンファレンス実施率

退院後の在宅支援が必要と思われる患者さんの把握ができているかを示す指標となります。
※カンファレンスとは、患者さんへの治療やケアなどに関する情報交換を行う場です

<考察>
在宅支援が必要と思われる患者さんのうち、毎年90%を超える患者さんへカンファレンスを実施して今後の支援について検討を行っています。
当院は2019年6月より「短期訪問看護室りんく」を開設し、退院後の継続支援を行っています。
短期訪問看護室では、退院直後の心身が不安定な在宅療養移行期を短期間(約1か月)訪問看護を行っています。
2.退院・転院調整
<解説>
退院または転院する患者さんへ適切にサポートが行われているかを測る指標です。
退院支援を行うことで、患者さんが安心かつスムーズに退院・転院できるようにサポートしています。
今回は転院調整に関する指標をピックアップして集計を行っています。
●転院率

●転院調整にかかる日数
転院された患者さんの割合と、転院までにかかった日数を示す指標となります。
患者さんがスムーズに転院できるよう調整に要した時間になります。
日数は以下の区分で集計しています。
①医師から面談の依頼が来てからMSW(医療ソーシャルワーカー)が患者さんやご家族と面談するまで
②MSWが面談し、転院先へ打診するまで
③打診した転院先と調整し患者さんが転院するまで

<考察>
2023年度の月平均退院患者数は1,608件で、そのうち150件ほどの患者さんが転院されています。
転院までにかかる時間は、医師の依頼から患者さんが転院するまで、15~20日程度かかることがわかります。
患者さんの安心のため、よりスムーズな調整に努めていきたいと思います。
3.退院サマリ
<解説>
退院サマリが適切に記載されているかを測る指標です。
退院サマリは、入院された患者さんの入院までの経緯や治療内容、治療後の経過、今後の治療方針などをまとめた記録となります。
今回は当院で医師が作成している退院サマリをピックアップして集計を行っています。
●退院後2週間以内の医師の退院サマリ記載率

医師が記載する退院サマリが滞りなく記載されているかを示す指標となります。
退院サマリは、他の診療科や医療機関と治療やケア内容を適切に共有するために使用されています。
「診療録管理体制加算1」の施設要件として、退院サマリは退院後14日以内に90%以上の記載を求められます。

<考察>
徐々に記載率があがってきていることが分かります。
患者さんが急遽他科や他院へ受診しても、すぐに情報共有できるよう遅滞のない記載を目指していきたいと思います。