頭蓋骨は頭の形を形成し脳を守っているドーム状の頭蓋冠部(ずがいかんぶ)と、脳を下から支える床のような役割をする頭蓋底部(ずがいていぶ)に分かれます。頭蓋底部には髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫などの良性腫瘍を含め多彩な病変が発生しますが、これらの病変は、頭蓋底部に存在する重要な正常構造物(脳に血液を介して酸素や栄養を供給する太い血管、意識・生命維持の中枢となる脳幹、多数の脳神経など)を圧迫したり巻き込んだりします。さらに病変が頭蓋骨の中心付近の深部に存在することも相まって、頭蓋底腫瘍の手術治療は高い専門性を要します。
頭蓋底疾患外来では、頭蓋底部に発生した腫瘍や三叉神経痛・片側顔面痙攣の患者様を中心に診療を行い、病態に応じた適切な治療を提案致します。また、セカンドオピニオンにも対応しています。
脳血管内治療は脳血管疾患に対するカテーテルを用いた治療方法で、大きな傷跡を残さず、比較的短時間での治療が可能な身体への負担が少ない低侵襲の治療法です。また、入院期間が短いのもこの治療の利点です。高齢の方や、全身状態によって侵襲度の高い開頭手術に耐えられない可能性のある患者さんでも治療が可能な場合があります。
当外来は、脳血管内治療に特化しており、十分な経験を有する脳神経血管内治療学会認定指導医が担当しています。頸動脈狭窄症や頭蓋内動脈狭窄症、脳動脈瘤、脳動静脈奇形などの脳血管疾患をお持ちで、何らかの理由で開頭手術を受けられない、あるいは身体への負担が少ない手術を希望される方などに、脳血管内治療が可能かどうか判断いたします。
脳神経内科は脳・脊髄・末梢神経から筋肉に至る幅広い領域のいわゆる神経・筋疾患を担当する内科系の診療科です。脳梗塞(慢性期)、認知症、てんかん、慢性頭痛やパーキンソン病など、皆さまにも馴染みのある疾患から、診断治療に苦慮するような難治性の脳炎や神経難病までをカバーする診療科となります。脳神経内科外来はこのような疾患の患者さんを専門的に診療する専門外来です。
頭痛、手足のしびれ、物忘れ、歩きづらさ、ふらつきやめまいなど、日常でよく経験する悩みを持っていらっしゃる方の中には重大な脳神経疾患が隠れている場合があります。急性の症状、慢性の症状に関わらず、通常の検査では原因がはっきりしない、あるいは見つからない時に脳神経内科の診察・検査を受ける事で異常が見つかる場合が稀ではありません。上記のような症状でお困りの方は是非ご相談ください。
脳神経疾患は目・耳・脊髄・脊椎などの疾患を合併していることも多く、当院では総合病院の特徴を生かし、関連診療科とシームレスな連携を取りつつ診療を行っています。