ESDの適応
適応は「粘膜にとどまるがん」
がんの進行とは、がんの根が深く潜ることを意味します。
根が深く潜ると、転移を起こす危険が出てきます。転移を起こす危険のある癌は、ESDでは根治できません。その境界線が粘膜筋板です。粘膜の下にある粘膜下層には、臓器の外へ通ずるリンパ管や血管が存在します。癌が粘膜筋板を破って粘膜下層へ浸潤すると、このリンパ管や血管を伝わってリンパ節や他臓器へ広がる(=転移)する可能性がでてくるのです。そのため、原則的にESDの適応は「粘膜にとどまる癌」となります。
ESDは、どんなに大きくても粘膜にとどまる癌なら切除できますし、たとえ小さくても粘膜下層に入る癌であれば適応から外れることがあります。
ただし、これまでの統計学的データにより臓器によって転移リスクが異なることが分かっています。また、個々の状況によっては、転移リスクを覚悟のうえで病変を切除することもあります。ESD適応の詳細は医師にお尋ねください。