第4話「ジェネリック薬品」
ジェネリック薬品とはどんな薬でしょうか
新薬を開発した製薬会社は、特許によって独占的な販売が認められています。しかし、特許期間が終わると別な会社がつくることができます。こうしてつくられた、先発薬品と同じ有効成分が同じ量含まれ、効能や効果、用法や用量が同じ薬を「後発薬」または「ジェネリック薬品」といいます。
開発費を大幅に抑えることができるため安価なのが特徴です。先発薬と比べて3割、中には5割ほど安価な薬もあります。ただし、薬の種類によっては薬局の窓口での支払いに大きな差が生じない場合もあります。
不安はありませんか
先発薬と同じ有効成分が同じ量含まれているため、薬効は同一と考えてよいと思います。
実際には、有効成分以外の添加剤などに違いが見られますが、薬に使われる添加剤には薬理作用を発揮するものは使用できませんから、薬効が異なることはありません。ただし、添加剤によるアレルギーが生じる可能性はあります。
先発薬のような何段階にもわたる試験は大幅に省略されていますが、「生物学的同等性試験」という先発薬との比較試験が行われ、同等と認められたものが国から承認されます。
価格の他にメリットはないのでしょうか
先発薬品の特許期間は10年程度で終わります。その後に後発薬品が登場しますが、錠剤の形を飲みやすいものに変えたり、他の薬と間違わない工夫をしたりと、価格以外にも付加価値を付けようと努めている製薬会社もあります。
手稲渓仁会病院でも使っているのですか
当院では薬剤部が中心となり、製剤上の工夫や供給体制や情報提供体制などを独自に評価し、評価の高いものだけを採用しています。価格が高く、後発薬品に切り替えることで患者さまにも経済的メリットの大きい注射剤などを積極的に採用しています。
当院の処方箋では、後発薬がある場合には、それに変更できるようにしていますので、薬局で薬を求める際にはご希望の旨を申し出てください。