第7話「市販薬と医療用医薬品」
病院の薬と一般の市販薬とはどこが違うのでしょうか
病院の薬は「医療用医薬品」といい、医師の診断のもと、処方箋などに基づき薬剤師により調剤されたもので、薬局や病院で受け取る薬です。医師の作成した処方箋を受け取った薬剤師は、薬の飲み合わせや服用量等、問題がないかチェックし、安全性を確かめて患者さまにお渡ししています。これに対して市販薬は「一般用医薬品」といい、軽度な症状の改善や生活習慣病などの予防、健康維持などセルフメディケーションを目的として使用する薬で、医師の診断や処方は不要で、患者さまご自身の判断で購入することができます。
成分も違うのでしょうか
医療用医薬品の多くは1種類の薬効成分しか含んでいません。しかし一般用医薬品、例えば、かぜ薬では幅広い症状に対応するため複数の成分が入っています。また副作用が強く出ないよう1錠あたりの有効成分の量を少なくしているものが多いようです。一般用医薬品の中には「スイッチOTC」と呼ばれる薬があります。OTCとはover the counterの略、つまり薬局のカウンター越しに売られる薬にスイッチ(転用)したという意味で、医療用医薬品として長い間使用されてきた実績のある薬の中でも、副作用が比較的少ない薬を一般用医薬品として販売するようになったものです。しかしスイッチOTCは第1類医薬品と呼ばれ、購入する際は薬剤師から説明を受けなければならない決まりとなっています。
市販薬と医療用医薬品は併用しても問題ありませんか
医療用医薬品では併用してはいけない薬を「併用禁忌」、注意が必要な薬を「併用注意」として薬の説明書に記載されています。医療用医薬品には併用に問題のある薬も多くあるため、病院の薬を服用中に市販薬を買い求める場合は、医師又は薬剤師に相談してください。その際、医師や薬剤師が参考にするのが、患者さまがお持ちになっている「お薬手帳」です。服用している市販薬についてはもちろんのこと、使用しているサプリメントや健康食品がありましたら、記入して頂きたいと思います。
一般用医薬品には患者さまが自己判断で購入できる品が多くありますが、安全に使用するためには適切な情報が必要です。薬を使用される際にはお気軽に薬剤師へ相談していただきたいと思います。