第22話「痛風の薬」
痛風の薬にはどのような薬があるのでしょうか
痛風は、血中に溶けている尿酸という成分が関節内で結晶化することによって炎症を起こす病気です。風に吹かれただけでも痛くなる≠ニ言われるように激痛が発作的に起こります。
痛風発作時の薬として、痛みを和らげる鎮痛薬が挙げられます。NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる炎症を抑える薬で、代表的なものにロキソニンがあります。また痛風の発作には予兆がある場合があり、その段階でコルヒチンという薬を用いれば発作を抑えられることもあります。
痛風そのものの治療薬としては尿酸値を下げる薬を使用します。ザイロリック、フェブリクなどの尿酸の生成を抑制する薬や、ユリノーム、ベネシッドなどの尿酸の排泄(はいせつ)を促進する薬があり、尿酸の「過剰生成」と「排泄低下」の原因に合わせて使用されます。尿酸の「過剰生成」または「排泄低下」の両方が原因となっていることもあるので、その場合には複数の薬を同時に使用することもあります。
また、尿酸は水に溶けにくい物質で、尿道や腎臓で結晶化することがあり、尿路結石、痛風腎と呼ばれる病気の原因となります。この様な事態を避けるためにウラリットなどの尿酸を中和して尿に溶けやすくする薬が使用される場合もあります。
痛風の鎮痛薬で使ってはいけないものがあると聞きますが
アスピリン系の鎮痛薬があげられます。アスピリンは尿酸の排泄を抑制してしまうので避けた方が良いでしょう。市販の薬にはさまざまな種類がありますので、薬局などで薬を購入する場合は薬剤師さんに相談するとふさわしいものを選んでくれると思います。
飲み方や副作用など、注意事項はありますか
薬の一般的な注意事項と同様に、飲む量や時間などをきちんと守ることが大切です。また、痛風は生活習慣病のひとつです。健康診断などで尿酸値が高めであることが分かった場合は、尿酸の原料となるプリン体という食物成分が多い食品(ビールやレバーなど)を控えることや、運動を積極的に行うなど日々の生活を見直すことが大切です。そういった意味では痛風は日々の生活習慣を改善していくことが求められる病気と言えるでしょう。