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23「花粉症の薬」

花粉症とはどのような病気でしょうか

花粉症は、植物の花粉が原因となって起こるアレルギー性鼻炎のひとつです。くしゃみ、鼻水、鼻づまりが3大症状として知られています。人によって、これらの症状とともに目やのどの症状、全身の倦怠感(だるさ)など、さまざまな症状がみられることもあります。

花粉症の薬にはどのようなものがありますか

基本となるのは抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬と呼ばれる飲み薬です。これは、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどのはたらきを抑える薬で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状を軽くする作用があります。この種類の薬は医師の指示通りに飲み続けることが大切なので、花粉の飛ぶ量が少なく、症状の軽い日でも自己判断で飲むのをやめないようにしましょう。また、人によっては副作用で眠気を感じることがあるので、車の運転などは控える必要があります。眠気が気になる場合は、別の薬に変更できないか、医師や薬剤師にご相談ください。

このほか、症状にあわせて、点眼薬や点鼻薬が使われます。点眼薬には、抗ヒスタミン薬のほか、ステロイド薬があり、結膜の炎症を抑える目的で用いられています。ステロイドは体の中でも作られている物質で、炎症を抑える作用があります。点鼻薬には、ステロイド薬や鼻づまりを解消する血管収縮薬があります。血管収縮薬は即効性があるといわれていますが、使いすぎるとかえって症状が悪くなるおそれがあります。一般的に点眼薬や点鼻薬は、飲み薬よりも副作用が少ないと考えられています。

病院の薬と市販の薬はどのような違いがあるのでしょうか

市販薬の多くは、花粉症の症状を軽くする数種類の成分が配合されています。自分に合った薬を選ぶために、症状を薬剤師に相談するとよいでしょう。一方、病院やクリニックでは、原因を診断し、症状の出方や強さに応じて薬を処方します。市販薬を利用するのは手軽ですが、症状が長引き改善しない場合には、医療機関の受診をおすすめします。

花粉症に困っている方にアドバイスがありましたらお願いします

花粉症の治療では、花粉の飛ぶ量や症状によって、いくつかの薬を組み合わせて使う必要があります。毎年、同じような症状が強く出る人は、本格的な花粉の季節が来る前に予防治療を始めることで、症状を軽くできる可能性もあります。そして、花粉の季節になり、症状が出てきたら早めに対処することが大切です。また、花粉の飛ぶ量や自分の症状の把握も治療に役立ちます。

花粉症に悩んでいる方はもちろん、「花粉症かも?」と感じた場合は、ぜひ医師や薬剤師にご相談ください。

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