薬剤部 お薬のお話
医療法人 渓仁会 手稲渓仁会病院

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10「アレルギー薬」

アレルギー薬にはどのような薬があるのでしょうか

人間の体には外から侵入してきた異物を排除する免疫反応が備わっていますが、アレルギーとはその免疫反応が過剰に起こることをいいます。体に異物が侵入するとアレルギー反応の元となる物質がつくられますが、アレルギー症状の場合はこの物質が必要以上につくられてしまいます。抗アレルギー薬は、こうした物質の働きを抑えることでアレルギーの症状を緩和します。季節性の花粉症と家の中のダニやホコリで起こるアレルギーとでは大きな違いがあるように思いますが、アレルギーを引き起こす物質が同じなので、同じ薬を使います。

これとは別にステロイド薬がアレルギーの治療に用いられます。これはアレルギー症状によって起こる炎症を抑えるものですから、抗アレルギー薬とは薬が効く仕組みが異なります。ステロイドはもともと体の中にある炎症を抑える物質を薬として取り出したものです。
これらはアレルギーの症状を抑えるものですから、症状の出る前か、出ても軽症のうちに飲むことをすすめます。

アレルギーを治す薬はあるのでしょうか

アレルギーを治すためには、アレルギーの原因物質をごく少量から体に取り込み、数年かけて徐々にアレルギー反応を起こさないようにする免疫療法が行われています。しかし、この治療はアナフィラキシー反応という全身性の重篤な副作用を引き起こす恐れもあり、何年も通院を続ける必要がある負担の大きな治療です。

副作用はありますか

眠気が代表的な副作用です。抗アレルギー薬も世代交代が進み、かつての薬より副作用は少なくなってきました。しかし、副作用は個人差が大きく、人によっては強い眠気に襲われることがあります。抗アレルギー薬を使用されている方で、日中に眠気がひどい、ふらつくといった症状がある方は医師や薬剤師に相談してください。抗アレルギー薬の種類は多く、眠気の少ないタイプの抗アレルギー薬に替えることができる場合もあります。

使用にあたっての注意点はありますか

アレルギー薬の中でもステロイドの点鼻薬は十分な効果が出るのに時間が必要です。すぐに効かないからと使用を止めてしまう方もいますが、指示通りに使用してほしいと思います。また鼻水や鼻づまりを抑える点鼻薬では、頻繁に使うと効果が落ちるものがあります。症状がひどいからといって指示を超えて使用するとかえって効かなくなることがありますので注意してください。

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