薬剤部 お薬のお話
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14「高血圧の薬」

高血圧の薬にはどのようなものがありますか

多くの種類があります。主なものとして、血管に直接作用し、血管を広げることで血圧を下げるカルシウム拮抗薬(きっこうやく)。血圧を上げる体内物質の作用を抑えるARB(エーアールビー)。血圧を上げる体内物質の生成を抑えるACE阻害薬(エーシーイーそがいやく)。交感神経の働きを抑えることで心臓の過剰な動きを抑えるβ遮断薬(ベータしゃだんやく)。交感神経に作用して血管を広げるα遮断薬(アルファしゃだんやく)。尿を増やして体内の余分な水分や塩分を減らす利尿薬が代表的なものです。また、カルシウム拮抗薬とARB、カルシウム拮抗薬と利尿薬などのように複数の薬を組み合わせた配合薬も各製薬会社から様々な組み合わせで販売されていますから、全体ではかなりの数に上ります。

どのように使い分けているのでしょうか

高血圧治療の基本は、塩分を抑えるなどの食事療法と生活習慣の改善で、それでも十分に血圧が下がらない場合は薬物療法が開始されます。薬はその方の合併症の有無、血圧の値、心臓や腎臓など体の状態に合わせて医師が判断します。たくさんある高血圧の薬の中でカルシウム拮抗薬は直接血管を広げるものですから、効果が早く現れるものが多くあります。また、急を要する場合には注射薬を用いることもあります。

副作用はどうでしょうか

血圧の低下によって、頭痛やめまい、ふらつき、脱力や吐き気といった症状が出ることがあります。そのため、服用中(特に飲み始め)は自動車の運転や危険をともなう機械の操作、高所での作業をする場合に注意が必要です。このほか、カルシウム拮抗薬には動悸や顔のほてり、足のむくみ、ACE阻害薬には空咳、β遮断薬には脈が遅くなりすぎることなど、薬の種類ごとに特徴的な副作用があります。このような症状を感じたら、医師や薬剤師にご相談ください。

注意することはありますか

カルシウム拮抗薬では、グレープフルーツ(ジュース)と一緒に服用すると薬が効きすぎることがあります。高血圧の薬は種類が多いだけに問題の起こる組み合わせも多く、病院などで処方される薬だけではなく、ドラッグストアなどで市販されている薬などにも注意が必要です。薬が処方されたり、薬を購入したりするときは、現在服用している薬を薬剤師に伝えることが大切です。お薬手帳をぜひ活用してください。医師の指示を守り、血圧が下がったからといって自分の判断で止めないことをお願いします。

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